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【過去作】仕事でのライバルへの嫉妬をなんとかしたい

催眠スクリプト
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2019年9月6日に書いた催眠スクリプトです。

人に「嫉妬している」と自分で認めるには、かなりの抵抗があります。
けれど、やっぱり自分の隣に仕事が順調そうに見える人がいると、拭えない怒りが湧いてきたり、自己嫌悪に陥ったりします。
相手の成功と自分の失敗の因果関係がないかもしれないのに…。

そんなもやもやした気持ちを、当時の私は催眠スクリプトを書いてなんとかしようとしていました。

チューリップのような赤い花の花束があります。
薄くて半透明の、ツルツルしたセロファンに包まれています。
このセロファンはオーロラ色なのですが、角度によっては緑色に見えたりもします。
手に持つと、セロファン特有のカサカサ音がして「壊さないかな?」とちょっと心配になります。
花束はピンク色のリボンで結ばれており、「女の子にプレゼントするのかな?」と考えます。
赤いチューリップのようなユリ科であろう花は、チューリップの花よりも小ぶりで、厚みがある花びらをしています。
食べたらおいしそうだなあ、と思ったりもします。
愛おしそうにセロファンを撫でるのですが、あまり触り心地が良いとは言えません。
カサカサカサと鳴る度に「もっとなめらかだったら、壊したりとか皺がついたりとかの心配がないのになあ」と考えるのです。
赤い花は三本ほどまとまって包まれており、若々しい緑色の茎をしています。
この花束からセロファンをひっぺがして、折り紙をすることにしました。
きれいな薄い緑のオーロラ色なので、折鶴なんか似合うのではないかなあと思いました。
このセロファンで折る折鶴はさぞかしキレイでファッショナブルに見えるだろう。
セロファンに折り目をつける度に紙の可愛さとはそぐわない大きな音がなって、心臓がドキドキします。
なぜか、この音で誰かに怒られないかなあと心配になります。
もっと静かに、こっそり折りたいんだけどなあ、と思うのです。
丁寧に、手元を見て折っていくと、どんどん集中力が高まって、回りの音が耳に入ってこなくなります。
鶴の足を折る時が一番緊張して、ズレがないようにピシッと折らないと、仕上りが美しくないんだろう、と一層集中しました。
出来上がった鶴は、普通の折り紙サイズのもので作るよりも一回り大きいサイズです。
両手のひらいっぱいに受け止めると、顔の真正面に持ってきて眺めてみます。
蛍光灯の光をうけて、鶴の羽はキラキラと輝いています。
コオーというエアコンの音が室内に響き、エアコンの風圧で鶴が飛び立たないだろうかと心配になります。
どこから眺めても美しい色で、完璧に折り上げた鶴は、このままガラスのショーケースに入れて飾りたいぐらいです。
白い床をヒールでカツカツ歩いて、窓際のショーケースまで鶴を持ってきました。
立派に羽を広げた鶴をそっと真四角のガラスの中に入れると、ホッとした気分になりました。
これで自分が転んでしまっても、この鶴に傷がつくことはない。
そう、私はこの鶴に傷をつけて完璧な状態を壊してしまうことを、とても恐れていたのです。
真四角のガラスのショーケースで守ってしまえば、手を触れずに安心して遠くから眺められるし、遠くからこの鶴が目視できる間は、あえて近づこうと思わないだろう。
これで自分も安心して家事をこなしたり、この鶴の前をパタパタと足音を立てて走れるのです。
家の片隅に置かれたこのショーケースから、鶴はいつも自分たちを見守ってくれています。
スリッパとエプロンという服装で掃除機をかける自分は、そこまで鶴に気遣わなくなりました。
鶴もショーケースで守られているので、埃も積もらず、羽を広げたまま黙って外界を眺めるだけなのです。
ひとつ、爽やかな空気が頭に流れていきます。
ふたつ、身体がだんだんと軽くなっていきます。
みっつ、大きく深呼吸をして頭がすっきりと目覚めます。

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