大嶋信頼先生の著書のレビューです。
大嶋先生は多くの本を出版されていて、そのどれもが「催眠スクリプト」のようになっています。
この本もその内の一冊であり、催眠効果があるので読んでいるだけで内容は分からなくても、無意識に何かしらの変化があるかもしれません。
催眠なので、当然読んでいると眠くなってくるかもしれません。
さて、今回は『チクチク・いやみ・理不尽と感じる「ほんのひと言」に傷つかなくなる本』のご紹介をしていきたいと思います。
オススメの一冊です。
人と接する時や話している時に頻繁に「頭が真っ白!」になって固まってしまって、言いたいことが言えない…そんな方には特にオススメしたい一冊です。
読み終わる頃には、なぜ自分が頭が真っ白になってしまっていたのかの理由が分かり、自然と相手に反論できていたり、言いたいことをストレートに伝えられるようになっているかもしれません。
私はこの本を読んで、ショッキングなことを言われて「頭が真っ白になる!」、そして動けなくなって一日がおじゃんになる!という症状が大げさではなく8割方改善することができました。
私の心に響いたフレーズ
この本の中で、特に私の心に響いたフレーズをご紹介していきます。
「頭が真っ白!」になった時に唱えてみる
「あ!左脳が働きすぎてるかも!」
頭が真っ白になって、言いたいことをきちんと相手に伝えられない時。
または、やりたいことがあっても自分の脳内でダメ出しばかりが浮かんできて、ちっとも行動できずにいる時。
そして、行動しても「頭が真っ白!」のまま行動してしまっているから、普段ではあり得ないようなケアレスミスを連発してしまう時。
そんな時はもしかしたら、右脳と左脳が上手く連携できていなくて、脳内で電流のサージが起こってしまっているのかもしれません。
どういうことかというと、左脳で「あれが正しい」「これは間違っている!」と分析的になればなるほど、右脳の「本当はこっちがしたいんだよな~」「ぶっちゃけこれいらないんだよね~」という感覚的な言葉を無視してしまっていて、そうすると左脳と右脳に電位差が出来てしまうんですね。
左脳だけがたくさん働いている!という状態になって、右脳との電位差でサージが起こった時に出る症状が「頭が真っ白になる!」なんです。
なので、「頭が真っ白になっちゃった!」という時に、「早くなんとかしないと!」と焦って余計に左脳を働かせるとどんどん右脳との電位差が激しくなって、ますますサージしやすくなってしまいます。
そんな時に「あ、左脳が働き過ぎているかも」と気づくだけで、左脳の働きが過剰にならず落ち着いて、右脳との電位差も起こらないようになるというお話です。
最近、人を褒められてますか?
「相手を褒められない」のがストレスサイン
最近、相手を褒められなくなってきたな~と思うことはありますか?
もし、今のあなたが誰かのことを褒められなくなってきたら、それは“精神的な引きこもり”になってしまっている可能性があります。
どういうことかというと、人は家にずっと籠って誰とも会わない生活を続けていると、脳にmdiaというタンパク質が溜まっていきます。
このタンパク質が溜まった状態で外に出て人に会うと、「人がこわい!」となってしまいます。
そうすると、人に会った時に脳内でノイズが発生しやすくなって、「余裕がない」とかパニックの状態になり、「頭が真っ白!」となってしまいます。
無理に相手を褒めようと思わなくても、人を最近褒められなくなったかも…と思った時に、「あ、ストレスが溜まっているんだな」と気づくと良いかもしれません。
もっと言うと、「あ、今、精神的な引きこもりになってるな」と気づいて、相手を「感覚的に褒める」ということをしていくとだんだん脳内のタンパク質が減っていくかもしれません。
本書には、“褒める”テクニックも紹介されています。
頭で考えて前もって「これを褒めよう」と用意していても、それは左脳的なので、「思ってもいないことを褒める」や「相手になりきる」のがオススメです。
「頭が真っ白になる!」のは、そこに“心の傷”があるのかも?
心の傷の場所にどうか気づいて
「頭が真っ白!」になってしまった時に、自分を責めてしまったりしていませんか?
私もそうでした。
どうして普通の人のように、会話ができないんだろう?
どうして些細な一言にガーン!とショックを過剰に受けてしまうんだろう?
そうやって、私はずっと「頭が真っ白になる自分」を責めていました。
だけど、なぜ「頭が真っ白」になるのか?
実はそこに“心の傷”があると、相手が何気なく言ったはずの一言に自分が「ガーン!」となってしまうんです。
だから本当は、頭が真っ白になった時こそ、自分に優しく労わりの言葉を掛けてあげると良いのかもしれません。
「なんで頭真っ白になっちゃうの!」と焦ったり怒ったりするより、頭が真っ白になった時は「あ、ここに私の心の傷が隠れていたんだな」とそう思ってあげてください。
心が乱れるフレーズ
心が乱れる原因は「罪悪感の刺激」
「頭が真っ白」になったり、相手に「なんで?」「どうして?」と言われた時って、なんとなく“相手に責められている”と感じることはありませんか?
そうです、頭が真っ白になってしまう原因として、そこに“心が乱れるフレーズ”が入っているからガーン!とショックを受けて固まってしまうんです。
私にとってはこの“心が乱れるフレーズ”という表現がピッタリで、相手が意図してようが意図してなかろうが、そこには私を加害者にしたり被害者にしたりして「罪悪感を刺激」する表現が含まれているから、頭が真っ白になるのかもしれません。
なので、「頭が真っ白!」になった時に、「あ、今、私の心が乱れるフレーズが入っていたな!」と気づくだけでも、頭が真っ白の状態になりにくいかもしれません。
これは意識して「気づこう!」と思わずとも、この本を適当に読むことで、知らぬ間にあなたの無意識が頭が真っ白になった場面で思い出してくれると思います。
また、こんな名言もありました。
心が乱すフレーズは、言った人の心の乱れ
全てを「自分のせい」と自分のものにしてしまわずに、心を乱されるフレーズを言われた時に「あれ?これってもしかして相手が罪悪感を抱えているの?」と気づくと頭が真っ白になっても上手く対処していけます。
相手の罪悪感を背負わない
「これは私の罪悪感!」と思ってしまうと、相手のものも自分のものとしてしまいます。
では、どうやって相手の罪悪感だと特定していくのかというと、本書では面白い方法を紹介されています。
普段言えない罪悪感を相手に吐き出す
普段言えない罪悪感っていうのは、「こんなこと言ったら相手にドン引かれるかも…」というような恥ずかしい罪悪感であればあるほど、相手の罪悪感や後悔を打ち消す効果が高くなります。
つまり、それが「相手が欲する言葉」であり、頭が真っ白になった時に感じた衝撃から自分の中の深くにある恥ずかしい罪悪感を相手にぶつけることで、お互いに足を引っ張ったりお互いのものを背負わせたり背負ったりの関係がなくなっていって、共感が生まれるでしょう。
「これ、認めたくないなあ…」という自分が蓋をしてしまいたくなるような気持ちこそ、相手にぶつけること、実は相手から「私の気持ちを分かってくれた!」と喜んでもらえるかもしれません。
そう、相手も自分ももしかしたら孤独で、お互いのものを背負ったり背負わされたりの関係になってしまっているのかもしれません。
“自分を消す”と人間関係が上手くいくかも
“自分を消す”というのは、何も自分の意見を押し殺すとか、他人に全て合わせるとかそういうわけではありません。
“相手になりきる”とも表現され、
「自分を消す」ということは「今自分が『感じている』と思っていることは全て相手の罪悪感や後悔」と思うこと。
と解説されています。
たとえば、相手にプレゼントをしようと選ぶ時に、頭で分析的に左脳を使って考えると「あれ?あんまり喜んでくれなかった…」ということが起こりやすいです。
実は「相手の気持ちを考える」というのは、“左脳”の判断なんです。
それよりは右脳を使って感覚的に判断する方が喜ばれやすいのは、そこにちゃんと無意識の声が働いているのを聞くことができるから。
頭の中で“相手をイメージ”することで右脳を使うことができ、「相手の欲している言葉」が見えてきます。
SNSやメールで「何を書いたらいいんだろう…」と返信に何十分も何時間も掛かってしまう人は、「正しいことを言おう!」と左脳で考えず、頭の中で「相手になり切る!」と思うだけで、次々と返信の言葉が浮かんでくるかもしれません。
また、浮かんできた言葉を「良い・悪い」でジャッジせずに、“頭の中の相手のイメージ”を大切に、頭の中の相手の声に耳を傾けていると、言葉に迷うことも少なくなると思います。
頭が真っ白になってしまうのは、孤独が怖いからかも?
相手のものを自分のものにしない
相手の罪悪感や後悔を自分のものにしてしまう人は、自己肯定感が低い可能性があります。
“苦しみ”というのは低いところへと流れ込んでいくので、自己肯定感がより低い人のところへと相手の苦しみは流れ込み、自己肯定感がより低い人は人の苦しみを請け負うシステムになっています。
だけど、なぜ「苦しい!」と思っているのに、人から流れ込んできた苦しみを手放せないの?と考えた時、そこには実は「人の苦しみを手放したら孤独になっちゃうかも!こわい!」という気持ちが隠れているのかもしれません。
人の苦しみが温泉のあたたかさのように感じられてしまって、「そこに浸っているとなんだか安心できる…」と知らぬ間に人の苦しみを請け負うことで、「一人じゃない」と確認しようとしている自分がいるのかもしれません。
だって、他人のものを請け負っているから、「一人じゃない」ということになりますよね。
心に「これは誰の苦しみ?」と聞いて苦しみから解放されるのが何だか嫌だなあ…と思ってしまうのは、自己肯定感が低く孤独でいることで、他人の苦しみのぬるまゆに浸って安心したいからなのかもしれません。
「自分らしく」しても、誰も逃げていかない
“自分を消す”ことに関して、本書の最後には感動的な大嶋先生からの無意識のメッセージがかかれていますので、ぜひ読んでみてください。
“自分を消す”ことは自分の個性をなくすことでもなく、自分が苦しい思いをすることでもないんです。
何度も何度も繰り返し“自分を消す”ことによって、「頭が真っ白になる子供」から「自分の自由も他人の楽しみも尊重できる大人」に成長していけるはずです。
・内面的に成長したい人
・自分の能力を120%活かしたい人
にオススメの本です。
自分の頭の中の保護者を消して、人生を存分に楽しみましょう!
大嶋信頼著『チクチク・いやみ・理不尽と感じる「ほんのひと言」に傷つかなくなる本』大和書房2021年
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