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アイデアってどうやって出すの?『アイデアのつくり方』レビュー

書籍レビュー
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大嶋先生の書籍のレビューも自分なりに結構書き進めて来れたので、大嶋先生の書籍以外のレビューもしたためていこうと思います。

今回はCCCメディアハウスから出版されているジェームズ・W・ヤング氏の『アイデアのつくり方』です。
訳者は今井茂雄さんです。

created by Rinker
CCCメディアハウス
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どんな本?

本って1冊200ページとか300ページあって、読むのが苦手な人や時間がない人は途中で挫折したりするかと思います。
でも、この本は訳者のあとがきを入れても100ページです。
とりあえず「1冊読んだ!」と自信をつけたい人にはちょうど良い長さなのではないかと思います。

ぶっちゃけて言っちゃうと、★5が満点だとしたら、私の中ではこの本は★3ぐらいです。
すでにアイデアを出す仕事をされていたり、クリエイティブなお仕事を日常的にしている方にとっては「あ、自分のやり方で合ってたんだ!」という答え合わせができる本となるはずです。

今までの人生で「アイデアが全く浮かんで来ない…」と悩んでいたり、これからクリエイティブなことを始める人にとっては、「この方法が最短で最速なのか!」と自信を持って挑めるようになるかもしれません。

読もうと思ったきっかけ

「60分で読めるけれど一生あなたを離さない本」というサブタイトルがついています。
私は本を読むのが遅い方だと自覚しており、「本当に60分で読めるのか?」と挑戦する気持ちで読みました。

また、私は個人事業主であり、現在はこのオンラインカウンセリングルームと占い師を並行して仕事をしています。
どちらもSNSやネットでの活動を行っており、「新しいアイデアを創造する」というのが1つのモチベーションだと感じています。

今でこそいろんなことを企画できていますが、ほんの数年前までは頭が固く「アイデアを出せ!」と言われても一切浮かばず真っ白になってしまうタイプでした。
実は大嶋先生の催眠スクリプトを学んでから「アイデアがどんどん湧いてくる!」と実感できているのですが、大嶋先生以外の書籍ではどんな方法で解説されているのだろう?と興味を持ったところもあります。

心に響いた見どころ3選

①アイデアは新しい組み合わせである

アイデアを出す!となった時に、1つの物事をじっくり深く掘り下げていって「もうー!よく分からん!」となった経験、ありませんか?
いくら頭を捻っても、すでに誰かがやっているアイデアばかりだったりして、斬新さに欠ける。

「これだ!」というアイデアを出そうといろんな角度から「それ」を眺めていても、パッとしない…。
そして、自分はなんて創造力がないんだ…と落ち込んでしまう。

でも、アイデアって1つの物事に詳しくなったとしても、いつか壁にぶち当たってしまいます。

アイデアは新しい組み合わせである(p32)

そう、アイデアというのは「何か」と「別の何か」を掛け合わせて出来た化学反応なのです。

そして、この新しい掛け合わせを作るために必要なのが「関連性を見つけ出す」才能です。

たとえば、何か新しいことを始めるアイデアが欲しい!と思った時、私は読書が好きなので「読書に関連したアイデアが欲しい」と思ったとします。

その時に、「読書」についていくら掘り下げて行っても、新しい発想というのは浮かびにくいので、私のもう1つの趣味である「観葉植物」を組み合わせたアイデアを出そう!と試みます。

やみくもにアイデアを出そう!と思っても、全く何も浮かんで来ない…。
なので、この時に必要なのが両者の「関連性」、つまり共通点です。

「読書」と「観葉植物」の共通点は何だと思いますか?
私は、どちらも「時間を掛けて育てる」だと閃きました。

じっくり1つの物語と向き合ったり知識を深めるための「読書」は、時間を掛ければ掛けるほど自分の内面が豊かになっていきます。
「観葉植物」は、四季によって花を咲かせるものもあり、毎日水をやって、根が深く広がっていったら大きい鉢に植え替えて、ともに人生を過ごす間に新しい芽が出て種を収穫できる喜びがあります。

育てて何か「得れるもの」がそこにあるのではないか?と考えます。
私はこれを、どちらも「心が豊かになる」ものを得られるのだと考えました。

じゃあ、この2つを組み合わせてビジネスをするなら、どんなコンセプトにする?と思った時に、「観葉植物がたくさんの読書カフェなんかどうだろう」と考えます。

ある研究論文でも、緑はストレスを軽減させ、心を豊かにしてくれます。
そんな緑豊かな場所でゆっくり読書することで、どんどん知識を吸収して、より豊かになっていける場所を提供できたらなんて素晴らしいのだろう!
まあ…ただ私がそういう場所で過ごしたいだけなんですけどね(笑)

「人生を豊かにする読書スペース」というような、心安らぐ場所をコンセプトにするのはどうだろうか?

その他にも、普段から一見全く無関係のもの同士の関連性を探すことで、良いアイデアがポンポン浮かんでくる習慣をつけられるのではないかと思っています。

②斬新なアイデアを出すには資料集めの土台作りが最も大切!

では、関連性を見つけていこう!と思っても、ぶっちゃけ世間知らずだと良いアイデアも浮かんで来ないと思います。
ある程度いろんなことを知っていて、興味が偏り過ぎていない状態が良いアイデアをたくさん出していくためには必要です。

鈴木祐さんの『運の方程式』の中でも、科学的に運を上げるためにはとにかくたくさん行動すること!と数うちゃ当たるではないですが、やはり行動や知識の母数というのが大切だと仰っていました。

アイデアのつくり方』の中では“カード索引法”をオススメされています。
詳しくは本書を読んでいただくと解説されているのですが、簡単に説明すると「単語帳のようなカードに単語を記入する」だと私は解釈しています。

要は、頭の中でいくら考えていても抽象的なものを客観視するのは難しいので、視覚的に認識して脳の容量を減らした方が「見えやすい」のでしょう。

頭の中で膨大な知識を処理するより、カードに記入して並べてみたり、お互いに関係ありそうなもの同士を一箇所に集めてみると、今まで見えてこなかったことが見えてきて「これだ!」と気づきやすくなるはずです。

頭の中の情報を整理する意味でも、文字という形に残す。
そうすることで、言葉にならない抽象的な閃きを言語化しやすくなることもあるかもしれません。

本書の「解説」で竹内さんは、これを化学者のドミトリー・メンデレーフの話で教えてくださっています。

彼は、長方形のカードにそれぞれの元素の原子量と性質と化合物などを記して、それを壁にピンで留めたそうです。
そして、これをあれこれと並べ替えてみた時に、原子量の順に並べた時に、7つ目の元素ごとに性質が似ていることを発見しました。
これが後の周期律表の考えの元になったのです。

③実を結ぶアイデアにたどり着く方法

アイデアを出す段階というのは、先の“資料集め”が第一段階なのだとしたら、第二段階で“スクラップブックを作る”。

そして、第三段階で“問題を完全に放棄して、想像力や感情を刺激するものに心を移す”。
これは、大嶋先生の言葉を借りると「無意識を起動するために、無意識に委ねる」といった感じです。

それを経て、第四段階で“その到来を最も期待していない時にアイデアが現れる”。
つまり、デフォルトモードネットワークで無意識がふとした瞬間に閃きを与えてくれる。
いわゆる「降りてきた」状態です。

すると、最後の第五段階になります。
最終段階は、自分が出したアイデアを世の中に発表することですよね。

自己満で終わってしまうのか世間でバズるのか、その分岐点に到達します。

せっかく自分で考えたアイデアは、ぜひ世間に受け入れてもらって活かしていきたいじゃないですか。

本書の著者であるジェームス・W・ヤング氏は、この第五段階を

現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階(p55)

であると言っています。

では、どうしたら自分のアイデアが陽の目を見ることができるのか?

これは竹内さんの解説が面白かったのですが、世の中には「2:6:2」の法則というのがあります。
大嶋信頼先生曰く、どこの職場でも、どこのグループでも、人が集まると必ず上位2割、普通の人2割、下位2割にきれいに分かれます。
「働きアリ」の法則ですね。

竹内さんは「パレートの法則」から解説されており、ある問題に関する本が100冊あったとしたら、その上位2割の本を読めば、問題の全体の8割を理解したことになると仰っています。

ある機械の原因が10あったとして、その上位20パーセントにあたる二つの原因をとり除けば、全体の80%にあたる故障が起こらなくなる(p79)

このことから、竹内さんは実を結ぶ豊かなアイデアに大切なことは「大事なことを先にやれ」であるとされています。
上位20%である「物事の本質」を突くことができたのなら、そのアイデアは世間に必要とされて多くの人に活用されるかもしれない。

感想・気づき

本当にちょっと失礼な言い方になるかと思いますが、この本を読んで今までにない効率的にアイデアを出す方法が分かるかも!という期待は裏切られました(笑)

だけど、今、自分が行っている地道な作業―――多くの本を読んで知識を集めたり、いろんなことに興味を持って知識の幅を広げる―――ということは、より斬新なアイデアを後々閃くためには必要なことなのだと、諦めそうになっていた自分の自信になりました。

アイデアを出すための“第一段階”というのが、本当に面倒くさいし時間が掛かる。
時間が掛かるのに結果が出ないなら意味がないんじゃないか…?と迷いが出てくると、作業の効率が悪くなりますし、「何が正しい努力か?」と考え始めた時にすぐに結果が出ないと「自分のやり方は間違っているのではないか…」と不安になって手が止まります。

『アイデアのつくり方』は今まで私が無自覚に趣味として実践してきた方法だけれど、それが今の私のアイデアを作る源泉になっているのだと確信を持てた今、今すべきことは多くの物事の関連性を常に探ること、そして「降りてくるのを待つ」ことだと堂々と構えていられます。

まあ、大嶋先生で無意識さんのことを知っているみなさんは、「心に聞けば早いやん!」と知っているかもしれません(笑)
無意識には無限の智慧があります。

でも、意識的に「良いアイデア」を作る方法も、悪くないんじゃないかと思っています。
意識的に知識と情報を求めて自分の中にストックしていったものが、ある時ふと“新しいアイデア”として自分に湧いてきた時、「お、自分って結構イケてるじゃん!まだまだ人生捨てたもんじゃない」とマンネリした毎日に花が咲いたような感覚になります。

ただのお金儲けの手段としてではなく、アイデアはきっと我々の脳を活性化して若返らせてくれるのかもしれませんね。

まとめ

今回は“60分で読めるけれど一生あなたを離さない本。”というサブタイトルの『アイデアのつくり方』でした。

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私はそれでも読むのに3日ほど掛かりましたが、読書に慣れていない方の初めの1冊にはオススメかもしれません。

今の自分のアイデアの出し方で合っているのか不安な方も、一度読んでみてください。

「ここに書いてるのと同じことをすでに自分はやっていたぞ!」と思った時に、それまでの自分のすごさを実感できると思います。
「これを自分で考えてやれていたのなら、もっと他のこともできるかもしれない!」と。

私はこの本を読んで、そんな自信を持てました。

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