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【過去作】好きな人に好かれるスクリプト(未完)

催眠スクリプト
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2019年8月26日に書いた催眠スクリプトです。

天井を見上げると、まるで天国の入り口のように光が浮かんでいました。

そう、私の家には天窓があって、そこからやわらかな朝日が入り込んでいるのです。
あたりは静けさに包まれており、時折、鳥の声のような、はたまた風の音のような、優しくカサカサした音色が聞こえてきて、「ああ、なんておだやかなんだろう」と感じるのです。
天窓はだいたい1.5mぐらいの幅があり、銀色のスチールの縁があり、その窓を開けて外に出ることも可能です。
窓を開けると、一気に外の空気が流れ込んでくるでしょう。
ガヤガヤとした喧噪や車の走る音、宣伝カーの声が、私の目を覚ますように耳に爆音で届いてくる様子が思い浮かんできます。
そう、この天窓一枚が、私の世界と外の世界を上手く分断してくれているのです。
それが上手に自分を保っていけている術なんだと、私は知っています。

天窓の外には若々しい緑色をした蔦が、生き生きと窓を縁取っています。
ですが、私はその蔦を触らずに、眺めているだけで満足なのです。
私は満足げに息を吐き、口元に少し笑みを浮かべます。
なぜなら、その若々しい蔦を見るだけで、うれしい気持ちがこみ上げてくるからです。
今日も元気に伸び伸びとしているなあ、と思う反面、水やりをせずとも雨だけでこの元気さが保っていけるのだろうかと不安にもなります。
今日は晴れているので、窓の外は青空が広がっており、ポツポツとマシュマロのような雲が浮かんでいます。
風もなく、しんとした空間に、私はただ一人、この天窓を見上げて立っています。
今日の服装は白いTシャツにジーパンです。
この服装をすると、なんだか爽やかな気持ちになれる自分がいます。
天窓のあたりには家具は何もなく、白い壁が光をほのかに反射しています。
自分の体重で床が鳴る音が聞こえてきて、その時はふと我に返ったりもします。
天窓から降り注ぐ光をまっすぐに身体に浴び、飽きるまで私はこの天窓を見上げているのです。
首が痛くならないかな、とも気にかかりますが、この眩しさに目を細めている自分が好きなのです。
どこか美術館にいるような洗練された空気を、今は全身で感じていたいのです。
窓の外の青空はとてもきれいに見えるのですが、実は私には一つ不安なことがあるのです。
そんなことを考えていると、また私の立っている床がミシッと控えめに音を立てました。
なんだか急に、胸がざわざわしてきて不安感が広がっていきます。
自分ではどうしようもないことなんだ、と思い、とにかくその不安感を触ることなく、どう広がっていくのかを感じることにしました。
不安なこととは、私は天窓は好きなのですが、掃除をこまめにしないと、この美しい景色が埃や雨ですぐ汚れてしまうのではないかということです。
今はまだ、本当にガラスが入ってるかどうかわからないほど透き通っている窓なのですが、いつか気が付いたら、水滴の跡がついてしまったり、どこからともなく飛んできた塵で窓が曇ってしまわないか、とても気がかりなのです。
そう考えると居てもたってもいられなくなり、そわそわと私は天窓から目線をそらしました。
何か、恐ろしく汚いものを見てしまったような気がして、落ち着きません。
天窓に罪はないのです。
ただ、この天窓を掃除しようと思ったら、背の高い脚立を持ってこないといけないし、それは今の私には面倒くさいことのように思えるのです。
誰かに聞かせるわけでもなく、大きなため息をつきたくなりました。
そうして自分の不安感をやわらげようといているのです。
簡単に手の届かない位置にあるこの天窓を、少し恨めしく思いました。
すぐそこで、手に届く範囲にあるのであれば、もっとこまめに気にかけてあげられるし、気が付いたときにすぐに掃除してピカピカにしてあげられるのになあ、と。
そんなことを考えていると、あたりがだんだん暗くなってきました。
どうしたんだろう、と思って天窓を見上げると、空模様が変わってきています。
さっきまで青空だった空には分厚いグレーの雲が覆っていて、今にも雨が降りそうです。
心なしか風も強くなってきたのか、天窓をブルブルと震わせています。
どんどん天窓から差し込む光の範囲が狭まってきて、部屋は薄暗くなっていきます。
しかし不思議と先ほどまで感じていた不安感はなく、安堵の気持ちが私の中に広がっていくのを感じます。
眩しいぐらいの光も確かに美しくて素敵だけど、陰りがあるこの部屋も悪くないな、と思えるのです。
どんどん薄暗くなっていくこの部屋に溶け込んでいくように、私の中で安心感が広がっていきます。
ああ、明るくなくてもいいんだ。
暗くて落ち着くとは、悪いことではなく、暗くないと安心して眠れないもんね、と。
遠くで雷が轟きました。
私は目を瞑り、暗闇に身を委ねたまま立っています。
肌で、今にも雨が降りそうなこの空気を感じ、両手を広げます。ひとりぼっちではない、このままの自分でいいんだ、とこの何もない部屋で思うのです。

ひとつ、爽やかな空気が頭に流れてきます。
ふたつ、身体がだんだんと軽くなってきます。
みっつ、大きく深呼吸をして頭がすっきりと目覚めます。

―――

以下、AIに描いてもらった催眠スクリプトです。
3枚目が一番イメージに近かったのですが、1枚目と2枚目が美しくて好きです。

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