今回は「脳の過覚醒とは」「本当のトラウマは覚えていないのに、どうやって思い出すの?」をテーマに書いていきます。
私の人生を大きく変えてくれた大嶋先生の【それ、あなたのトラウマちゃんのせいかも?】
次回の心の栄養読書会の課題本のため、5年ぶりに再読しました。
前回読んだ時で再読3回目ぐらいだったのですが、今回改めて読んで「前回も読み込みがまだまだだったな…」と感じるほど、さらに新らしいことを学んでいる感覚があります。
だから大嶋先生の本は何度読んでも素晴らしい!
前回読んだ時は、恐らく1ページに1回は出てくる「恐怖と怒りで回避する」という言葉に、ちょっとイラッとしていたように思います。
これこそがまさに恐怖に浸るのを怖がっている証拠であり、その下にトラウマが隠れているここ掘れワンワン!
不快なことを考え続けるのが“脳の過覚醒”
脳の過覚醒が残っているから、嫌なことばかり目についてしまう。
自分が不幸だという感覚が切り離せない。
いつも自分ばかり嫌な目にあってしまう感がある。
物事をクソ真面目に考え過ぎてしまって他人が許せなくなる。(p100)
これは全てFAP療法で記憶を統合する前にあった私の症状です。
え、嫌な人や嫌なことばかり思い出してイライラするのって、脳の過覚醒だったんだ!
いっつも自分ばっかり嫌な目に遭うっていう感覚も、脳の過覚醒だったんだ!
なんであの人はああなんだ!と怒りが止まらないのも、脳の過覚醒だったんだ!
気にし過ぎで過敏な自分が悪いのかと思ってました。
実際に親や他人にも「考え過ぎ」と笑われるのですが、でもどうやって治せばいいのか分からない。
たとえば私の場合だと、予約キャンセルが1つあるとその日は一日中頭がグルグルしてしまって、認知機能がガクーンと下がっていたんです。
目の前の人が喋っている内容が右から左へと抜けてしまって、会話を一切覚えられなくなっていました。
それはバックグラウンドで「この人はいつも直前キャンセルする!」という強烈な怒りと、「私、前会った時にあの方に余計なこと言ったかも…」という強烈な不安が入り乱れているから。
そして、「これをきっかけに予約が0件になってしまったらどうしよう…」という恐怖がどんどん大きくなっていって、自分の力では何もできないのに居ても立ってもいられなくなる。
これらの不快な感情を行ったり来たりして、キャンセルしたお客様が再び会いに来てくださるまで、怒りと不安と恐怖がぐるぐるぐるぐると私の脳内を占領したままになってしまっていました。
これが、実は“脳の過覚醒”。
そして、大嶋先生のすごいところは、トラウマの人が治療したいのはこの脳の過覚醒を消すことだと気づいてらっしゃるということ。
たしかに、FAP療法である程度記憶が統合されてきたのに、なぜ生きづらく感じるの?と思った時に、「1つ不快な出来事が起きたら、そこからずっと不快感がぐるぐるしてしまう」という症状に苦しめられていまることに気づきました。
そして、その苦しみを取りたくて、セルフFAPをしたり催眠スクリプトを書いたりしていたのです。
どうも生きづらさって、脳の過覚醒から来ているようです。
ストレス刺激から離れても止まらない怒りや不安、何も起こっていないのに感じる「未来の恐怖」。
こんな感情にもう怯えて暮らしたくない!というのが、トラウマ治療を受ける動機だったように思います。
なぜ、「思う」だなんて曖昧な言い方をするのかと言うと、その当時は「脳の過覚醒を消したい」なんて微塵も思っていなかったから。
ただ、なんか苦しくて、いつも嫌な人ことばかり考えてしまって、怒られたらどうしようとかなんでアイツは!とか不快な感情が止まらないのをなんとかしたかった。
これって、脳の過覚醒を鎮めたかったんだなあと改めて気づきました。
脳の過覚醒が起きてしまうのは、ショック体験で解離した“死の恐怖”から回避するために、怒りや不安を使って根底の恐怖から回避するから。
回避すればするほど恐怖は増幅するから、さらなる怒りや不安が必要となる。
だから、不快な感情が止められなくなる。
不快な感情がぐるぐるしていて、自分では間違いなく「これを止めたい!」と望んでいるんだけど、不快な感情がなくなってしまったら生きていけない(殺される)気がする。
これを逆に考えると、時間が経っても消失しない怒りや不安などの不快な感情は、「そこにトラウマがある」ということなのだろう。
(大嶋先生の他の著書では、「消えない怒りは他人のもの」とも書かれています)
不快な感情、不快な思い出、不快な人物を思い出すことによって、根底の恐怖を回避してしまうのがトラウマの脳の回避システム。
いつまでも根に持ってしまう自分がダメなんじゃない。
トラウマがそこにあって、私の中の何かが反応しているのだ。
本当のトラウマは覚えていないけど、思い出したい!
治療を受けても思い出せないものは思い出せない
思い出せるトラウマはだいたいダミーである。
なぜなら、本当のトラウマは覚えていないから。
感情記憶と状況記憶がバラバラになって処理できず覚えていないから、トラウマ化してしまって脳に恐怖が固着してしまっている。
思い出せるのなら、感情記憶が適切に記憶の引き出しに仕舞われて、偏桃体の反応がやがて収まっていくはずである。
けれど、我々がトラウマ治療で処理したい“恐怖”は、記憶から抜け落ちてしまっているそのショック体験ですよね。
それが処理されないと、いつまでも恐怖を回避し続けなければいけなくて、その度にどんどん恐怖が増幅していってしまう。
大嶋先生は、過去のトラウマ体験を思い出してそれを治療しても、脳の過覚醒のない「緊張が無い世界」は訪れないと本書の中で仰っている。
たしかに脳の過覚醒をなんとかしたいのだが、でも自分の抜け落ちたトラウマ記憶がどんなものだったかも思い出したい!
純粋な興味です。
私は、FAP療法で治療してもらっても、未だに思い出せないトラウマが1つあります。
小学校1年生の時の担任に吊るし上げられていたトラウマです。
これは別の記事でも書いていますが、ある程度FAP療法の治療が進んできた時に「でも、まだ対人緊張が高いんだよなあ」と思って、なんとなく母親にトラウマ治療のことを話したのがきっかけで判明しました。
(本来は支配者に話さない方が良いと思うので、支配者や家族にトラウマ治療のことを話す時はご自身の心に聞いてみてください)
自分では、小学校高学年の時の担任が大きなトラウマになっていると思っていました。
けれど、母親は「いや、あの担任もひどかったけど、1年の時の担任が本当にひどかった!」と怒り出したんです。
私は母親のその言葉を聞くまで、1年生の時の担任の先生は優しくて明るい先生だったという良いイメージをずっと持っていて、心の中で親しみを感じていたんです。
小学校2年生以降は「また会いたい」とその先生を思い出しては、懐かしい切ない気持ちになっていました。
(その先生は私が2年生になった年度に違う学校に転勤になったと思います)
それが!母親曰く、クラスの中で私が一番ひどく吊るし上げられていたというのです。
そして、それをFAP治療していただいていたカウンセラーさんに伝えると「本当だ!めちゃくちゃ(中)指が痛い!」ということになって、めでたく大きなトラウマを発掘できました。
この時のFAPでは終始号泣していました。
でも、自分では何が悲しくて何で涙が出るのかまったく分からないんですよね(笑)
こうやって無事「吊るし上げられていたトラウマ」を取ってもらったのですが、この治療が終わってからも私の中ではいまだにあの先生は「良い先生」のままなので、とても不思議です。
記憶を統合していくと突然思い出す
それとは反対にある時期、年齢退行FAPを仕事から帰宅後に毎晩行っていました。
ちょうど現年齢までFAPをやってみて、「何も変わらないんですけど!」と残念に思いながら数日間過ごしていたんです。
するとある日、強烈な不安を感じる出来事が起こりました。
年齢退行FAPを一周やったのに、こんなに嫌なこと起きるんかい!ってその時は思ってましたね。
その日は退勤前に職場の人から電話が掛かってきて、私の悩みを相談したら「あなたが悪い、相手が正しい」と言われました。
いろいろ話して最終的にはその人に理解してもらえ、なごやかな感じで会話を終えることができたのですが、帰宅してからも怒りや不安で脳がぐるぐると落ち着かず動けなくなってしまったんです。
(まさしく脳の過覚醒!)
「なんでトラウマ全部取りしたのに、まだ苦しまなきゃいけないの!」とそれにもイライラしていたのですが、とても辛かったのでセルフFAPをすることにしました。
右手をぶらぶら~と振りながら、適当に質問していきます。
「この苦しみは、見捨てられる不安?恥をかいた苦しみ?間違っていると指摘されたことが問題?」と中指の反応を見てみますが、まったく反応しません。
ある程度トラウマが取れてくると、表面的なことではなかなか中指が反応してくれなくなるので、この時もかなりの時間ぶらぶらと右手を振っていました。たぶん1時間ぐらい。
そして、ついにビンゴしたのが『ずるさ』!!
自分のずるさが気になる。
この時の電話での会話でもやもやしていたのは、自分は間違ったことはたしかに言っていなかったんだけれど、実はなんとなく相手を悪者にして「私のほうが正しいですよね!」と共感してもらう方向へと誘導していた節が自分にはあったということ。
すべてが嘘ではないけれど、微妙に嘘を吐いてしまったという後ろめたさ。
そして、指摘されると言い逃れしている弱くてずるい自分。
相手に「あなたは正しい」と言わせた不快感、などがものすごくあった。
でも、自分が「ずるい」人間だってめちゃくちゃ認めたくない!
嫌~な感情が私の中で渦巻いて「ずるい自分」と内省できなかったのは、それだけ大きなトラウマだったからだと思います。
【本当の私よ こんにちは】の中に出てくるFAPのやり方でトラウマを取っていきました。
この時に「〇〇が気になる」と唱えなきゃいけないのですが、「自分のずるさが気になる」と唱えるのが心底嫌だった。
口にするのもかなり嫌だったけれど、「ずるい自分」と心の中で言葉にすることさえ大きな抵抗があった。
けれど、腹をくくって「自分のずるさが気になる」と爪の際を押さえながら唱えていくと、見たくない醜い姿の自分がどんどん出てくる。
言い逃れしている自分、嘘吐きな自分、保身に走る自分…。
「心の傷があるから、自分は嘘を吐いたり言い逃れしたりしてしまうんだ」と思いながらセルフFAPを進めていきます。
すると、何往復かした時に突然、涙があふれてきて私は号泣し始めました。
そして、ひどく耳鳴りがする。
自分でも何が起こっているのかよく分からなかったのですが、私の心が「誰も私の痛みを分かってくれない!」と泣いていて、苦しさでバラバラになるような感じがしました。
それでも、自分の涙や苦しみを無視してさらにFAPを進めていくと、今まで忘れていたあの光景が浮かんできたのです。
「あ!私が長年お風呂に入るのが苦手だったのは、妹の足を風呂場で大怪我させてしまったからだったんだ!」
思い出したんです。
お風呂が昔から苦手で、親に急かされても午前3時頃まで風呂に入れない。
お風呂に入れないから就寝時間も遅くなってしまって、学生時代から慢性的な睡眠不足でした。
もう1つ思い出したのは、20代のはじめの頃に半同棲をしていた時、私は繰り返し入浴中に過呼吸のような発作を起こしていたこと。
それは家族と大ゲンカをして家出をして、勝手に一人暮らしを始めた頃の記憶でした。
それまでも毎日お風呂に入る時に「こんなことあったな」とぼんやりとでも思い出すもんなんじゃないかと思ったりもしたのですが、この時にFAPするまですっかり忘れていたのです。
でも、この記憶を覚えていなかったのに、ずーっと私は「なぜかお風呂に入れない。さっさと入って寝たいのに」ということを毎日毎日繰り返して、睡眠負債が溜まって苦しんでいました。
本当にお風呂が大嫌い!という感覚だけが残っていたんです。
そこでふと「そういえば11歳のトラウマを取っている時に、ずっと右足が痛かったなあ」と思いだしました。
11歳のトラウマを取っている最中は「なんで痛いんだろう?」と不思議に思っていたのですが、妹の足を傷つけたトラウマが苦しくて、無意識は私にサインを出してくれていたのかもしれません。
トラウマ記憶なので曖昧なのですが、もしかしたら12歳の頃だったかもしれません。
小学生の頃は妹と仲がすごく悪かったんです。
ある日、妹と一緒にお風呂に入っていた時に、妹に何か嫌なことを言われた私は風呂場のガラス戸を足で蹴破りしました。
私は浴室に、妹は扉の向こうの脱衣所にいました。
私は、風呂場の扉が蹴ったぐらいで割れると思わなかったんです。
蹴った瞬間にガラス戸が粉々に砕けて、妹は足をケガしました。
病院がすでに開いていない時間だったのですが、救急で家族で病院に行き、妹は足を縫うことになりました。
私は妹に一生消えない傷を負わせてしまったのです。
自分の記憶では、妹が足を縫っている間に家に帰らせられて、1人真っ暗な部屋の中ベッドの上に座り、両親と妹が帰ってくるのをぼーっと待っていました。
両親は妹のことばかりを心配していて、私のことは無視していると思っていたんです。
その後、妹に申し訳なさ過ぎて、でも30歳を過ぎてもあの怪我のことに触れられないし、謝ることもできませんでした。
自分の罪を直視したくなくて、やがて私の記憶から消え去っていったんです。
ちなみに妹が足を縫った翌日に、母親と妹が一緒に登校して職員室に説明しに行っていました。
ここらへんもトラウマ記憶なので曖昧なのですが、私は当時の自分の担任に「妹の怪我は自分のせいじゃない」みたいなことを日記か何かに書いていたようです。
(日記を書く宿題が毎日あったんです)
だけど、職員室に来た母親の説明では、姉妹喧嘩で私が妹に怪我を負わせたと。
それを知った私の担任が、私の名前を出さずにクラスのHRで「ひどい大ウソを吐くやつがいる」みたいなことを嫌悪感丸出しに話し出しました。
クラスのみんなは、たぶん何のことか分からなかったと思います。
当事者の私だけが「自分のことを非難されている…」と、真っ青になっていました。
しかし、当時の私は両親とも仲が悪く世間話すらしない関係性だったので、この担任の話にショックを受けたなんてことを言おうとも思わず、わずか10歳そこらの自分は1人十字架を背負った気持ちのまま生きてきたんです。
FAPで「自分のずるさが気になる」を完全に取り切って、ある程度号泣した後に母親に電話して、この話をしました。
自分はあれからずっと妹に申し訳ないことをしたと思ってる、と。
すると、母親から驚く反応が返ってきました。
「え!あんた気にしてたん!妹ちゃんはあの傷、自慢してたで!」と。
…え?
私なら一生残る傷を自分じゃない人間のせいでつけられたら、悔しくて腹立たしくて許せないと思う。
だから、妹に嫌われていると思っていたのに…?
さらに母は言います。
「あの時お母さん、あんたのことすごい心配してたんやで。お医者さんにあんたのことも見てって言ったのに妹ちゃんしか見なくて」
…ん?
私は妹が処置されていることしか覚えておらず、自分がお医者さんに傷がないか診てもらった記憶がないですし、母親がそんなことを言っていた記憶も微塵もない。
ショックで解離して記憶が飛んだのだろうか…。
さらにさらに母は言います。
「え!あの担任、そんなこと言ったん!お母さん知らんかったわ…」
そりゃそうやろ、言ってないもん。
ええ…?あの時、両親に「担任にこんなこと言われた!」って報告したら、何か変わってたの?
自分と母親の記憶と見解が食い違いすぎて驚きました。
20年間、重い業を背負って生きてきたのはなんやったんや…。
こんな感じで、あっけなく長年の私のトラウマは消えていったわけです。
まあ、このトラウマ記憶もダミーで、もっと根底に覚えていないトラウマ体験があるのかもしれませんが。
でも、FAP療法で記憶を統合させていくと、こうやってふっと突然記憶が蘇ったりします。
脳の過覚醒がなくなるまでしつこくFAPしたら出てきたトラウマ
この話もブログのどこかに書いたと思いますが、せっかくなのでここにまとめて置いておこうと思います。
恋愛の話です。
私はお付き合いするまでは不安感とか怒りとか相手に対してまったく出て来ないのに、なぜかお付き合いをした瞬間に相手の浮気が気になります。
どんな相手でもです。
相手が浮気をしない誠実なタイプだと頭では分かっていても、ちょっと連絡が遅かっただけで「他の女性がいるんじゃ…」と強烈な不安に襲われて居ても立ってもいられず、LINEや電話をしまくっていました。
自分でも「なんでこんなことしてしまんだろう?」と思っているのですが、相手から安心できる言葉や態度がないと「死んでやる!」となるまで怒りと恐怖にまみれてしまう。
これが、気づいたらずっとあったんです。
もはや自分の性格なんじゃないかと半ば諦めていました。
ある時に、大変ひどい彼氏と付き合いました。
ひどかったというのは別れた後に知ったのですが、簡単に言うと大嘘吐きで隠れてコソコソ浮気をするタイプだったんです。
付き合って1か月も経たない内に同棲し始めたのは、相手が元々私とは別の彼女と同棲していたから。
後から彼女に聞いて知ったのですが、彼女に嘘を言っていて、私が言い寄ってきてしつこいから仕方なく会ってたとか周りに言い触らしていたて、彼の仲間内では私は最悪な女に仕立て上げられていました。
そして、私には「彼女と別れた」と言っていたのに、実際には彼女にしばらく福井の実家に帰ると言っていたんです。
付き合って2か月も経たない内に私は「なんかあやしい」と思って問い詰めるのですが、私が怖かったからなのか、ある日私が外出している間に何も言わず出ていきました。
その後に話をした時に、コイツが「俺のインスタ見た?」と言ったんです。
は?インスタ?
と思ってなんとなく調べてみたら、別れたと言って別れてなかった例の彼女との写真ばかりのアカウントを発見しました。
抱き合っている写真とかキス写真とか、「かわいい」と何度も書いてたりとか。
これが、コイツと別れた後にもずーっと脳裏に残っていて、頭の中でちらつくたびに強烈な怒りで気が狂いそうになっていました。
(実際はちゃんと別れてなくて、相手に言いくるめられてました)
別の話になりますが、ある彼氏と旅行にいく行きのバスの中で、隣に座る彼氏のスマホにハートマークがついたLINEが送られてきた瞬間をたまたま見てしまいました。
旅行の間、そのハートマークがずっと脳内でちらつくので、「FAPで消してやる!」と思って「ハートマークが気になる」とやると、脳内であのハートマークがセピア色になって薄れていきました。
元カレと彼女のキス写真をこれと同じ方法で消してやろう!と思い立って、怒涛のFAPをし始めました。
だけど、なかなかしつこくて1回や2回では全然脳の過覚醒が鎮まらないんです。
こうなったら、あのインスタで見たイチャイチャ写真を見ても何とも思わないようになるまで、ひたすらFAPやってやる!とめちゃくちゃ気合入れて挑みました。
ちなみに、奴らの写真はすべてスクショして保存していました。
もう本当にいろいろトラウマ取りました。
ムカつく態度が気になる、(彼女を)大事にしているのが気になる、浮気が気になる、愛情がないのが気になる、頭痛が気になる、不誠実なのが気になる、失恋のトラウマが気になる、絶望感が気になる…。
当時の私のメモに「(やつらのイチャイチャ)写真を見るというドMで変態なことをしながら、何とも思わなくなるまで取る!」という決意の言葉まで書いてありました。
とにかくフラッシュバックをなくしたいと必死でした。
およそ9日かけて、トラウマを取り続けました。
(みんなはちゃんと定着期間置いてね!)
そしたら、急に記憶が蘇ってきたんです!
それは「まだあの写真を見るとムカつく!」となっていた時。
何にムカつくかというと、実は私はあの後彼に、彼女とのイチャイチャ写真しか投稿してないインスタを消させたんです。
でも、よく考えたらあのインスタを消させてしまったことにより、アイツはまたのうのうと次の女性をターゲットにしてうまくやるんじゃないのか?アイツばっかり得しやがって!
と強烈な怒りで苦しくなっていたんです。
その感覚を感じながら、中指をぶらぶら~と振って「何のトラウマを取ったらいい?」と質問していきます。
すると「奪われるのが気になる」で中指がビンゴしました。
そして指を押さえてトラウマを取っていると、「これ!真の失恋のトラウマ?」と感じるものが出てきたんです!
あれは私が中学生だった頃。
同じ小学校出身だった私の「自称親友」がいました。
彼女は目が大きくて美人で愛嬌があるので、あざとくてもモテていました。
彼女にはその時付き合っている彼氏がいたのですが、なぜか私が好きだと思っている男性のことを「彼、私のこと好きだと思うの!」とか言いながら、私の好きな人にアプローチしていたんです。
正直なんやこいつって思ってました。
彼女は美人なので、アプローチされた彼の友達たちもはしゃいで「彼は美人な彼女のことが好き!」という噂がどんどん広まっていきました。
私はそのまま卒業しました。
彼は私のことなんか眼中になかったんだと思って、卒業後に一度だけ話をしに行ったのですが、彼は恥ずかしがっていたのか話を聞いてもらえませんでした。
それから10年後、この彼とmixiで再会したんです!
中学の時のことを聞くと、彼は私のことが本当は好きだったと言う。
だから、私が卒業してからずっと私のことを探していて、それでmixiでようやく見つけた!と言ったんです。
FAPで腹立つ元カレと彼女のことを取っていたら、この記憶がふいに出てきて「中学の時のあの失恋とあの女が原因だったのかー!」と、すべてのパズルのピースがはまった感覚がありました。
だから私は、彼氏が私のことを好きだと言ってくれていても、その言葉を信じずに「そんなこと言いながら他の女のこと良いと思ってるだろ!」と言い続けて、それが現実になってしまうということを繰り返していたのでしょう。
「奪われるのが気になる」
ちなみに嘘吐きの元カレとmixiで再会した元カレは、顔や身長や体型が似ていました。
そんなところも失恋のトラウマを大きく刺激されて、トラウマの再上演の道を突っ走らせられていたのかもしれません。
その場面を思い出した時に不快な感情がなかったら本物のトラウマかも?
【トラウマちゃん】の本には、『〇〇の恐怖』×7回を唱えて根底の恐怖に浸ることで、脳の過覚醒をなくして凪にする方法がこれでもか!ってぐらい書かれています。
なぜ浸る必要があるのかというと、人間には恒常性があるからです。
『〇〇の恐怖』を探る時の注意点として、『〇〇の恐怖』と思っても怒りや不安などの不快感があるとそれはダミーの可能性が高いということ。
だから、『〇〇の恐怖』と唱えて怒りや不安を感じない言葉を探らなければならない。
先ほど「真のトラウマを思い出した!」と感じたと体験を書きましたが、これも同じ原理なのではないかと思っています。
ダミーのトラウマだったら、やっぱり思い出した時にまだもやもやだったり怒りが残っているんじゃないでしょうか。
けれど、上の「妹の怪我」と「失恋のトラウマ」はどちらも思い出した瞬間に、私の中の不快感がすべて消し飛びました。
それからは何を思い出しても、その前にあった強烈な怒りを感じることができない。
当時はこれを言語化できていなくて、ただなんとなく「あ!これ真のトラウマじゃね?」と喜んでいたのですが、たしかに根底の恐怖を消し去ることができたのだと感じています。
まあ、本当のトラウマは覚えていないので確認できませんが、とにかく生きづらさから解放されたらOK!っていうのがブリーフセラピーの良いところです。
(長く書き過ぎたので、次回につづきます)
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