寒い朝に、田舎の田んぼには霜がおりていて、水溜まりには氷が張っていたりします。
すると、「はぁ~!」と吐いた息が白く空気の中に溶けていって、自分の頬が赤くなっていることに気づきます。
手袋をしていても指先がかじかんでいて、上手く荷物を持てません。
私は、小学校の帰り道、一人でいつもの通学路を歩いています。
すると、家に帰るまでの道のりで、犬がギャン!ギャン!と吠える家の前に来て、「怖いなあ…通るのが嫌だなあ…」と私は足を止めるのです。
私がその家の前を通った瞬間に2匹の犬が「ギャン!ギャン!」私に吠えるので、私はいつも両手で耳を塞ぎながらその家の前を通るのです。
まさか「犬が怖い」なんて誰にも言えないので、私は家に帰ってもそのことを言わずに、毎日この通学路を通ることを怯えているのです。
ある時、その犬にエサをやっていたら、上級生の人に怒られました。
エサというのは、その家の犬が繋がれている庭のようなところに、何かの骨がたくさん落ちているのです。
私の同級生たちはその骨を拾って、繋がれている2匹の犬に放り投げて「餌をあげている」のです。
一人で帰っていた時に、私もみんなの真似をしてエサをあげていたら、それを見た上級生の女の子に怒られて、私はシュンとしてしまいます。
「みんなもやっているのに、どうして私だけ怒られるのだろう…」
そして、とても悲しい気持ちになったけれど、家に帰って誰にもこの気持ちを言わずに、眠りにつくのです。
私は、子どもながらにいろんな孤独感や不安を抱えて、毎日眠りについていました。
それが「子どもらしくない悩み」だとは知らずに、私は毎日毎日、恐怖に怯えながら過ごしていたのです。
母親に話したら、何か解決していたのだろうか?
父親に話していたら、自分の不安感や恐怖、孤独感が消えてたのだろうか?
そんなことにはならないと知っていたからこそ、私は誰にも話さなかったのかもしれません。
だから、孤独感と惨めさを抱えたまま、毎日毎日、私は眠りにつくのです。
本日のメタファー:寒い朝の霜がおりている薔薇
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