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人生にもやもやしている人はぜひ読んでみて!『催眠ガール2』レビュー

オススメ大嶋本
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催眠ガール』から時を経て、2作目の大嶋信頼先生の小説が発売されました。
1作目も夢中で最後まで読みましたが、2作目もすごく面白かったです!

今回はそんな『催眠ガール2』を紹介していきます。

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『催眠ガール2』はどんな本?

前作『催眠ガール』でお師匠さんから催眠を学んだ夏目ちゃんが、今回も催眠スクリプトを使ってみんなを自由にしていく物語です。

何と言ってもこの小説の醍醐味は、催眠スクリプトです。
「催眠スクリプト」とは現代催眠の1つで、なんと「読むだけで無意識を起動して、自由に生きれるようになる」というような効果があります。

小説自体もスクリプトで書かれているのですが、小説の中にさらに物語の登場人物が読む催眠スクリプトが登場します。
ただ読むだけで催眠に導入されて、そして夏目ちゃんたちとともに自由になっていける…。

そして、無意識で書かれているストーリーだからこそ、予想しなかった展開が次々と起こり目が離せません。

大嶋先生の催眠スクリプトを存分に味わい、そして大嶋先生の今までの数多くの臨床経験にも触れられる貴重な本だと感じています。
私はこの本に何度泣かされたことか!

無意識の奏でる美しいストーリーで、読後は爽快な心地良さを感じられる物語です。

この本を読むきっかけ

大嶋先生の著書はすべて読んでいるのですが、特に『催眠ガール2』は楽しみにしていました!
なぜなら、前作の催眠スクリプトでぼろぼろトラウマが取れて記憶が統合され、大号泣した覚えがあるから(笑)

今回もきっと「読むだけで私の何かを癒してくれる!」と期待大でした。

最初は、「スクリプトを読んだだけで何も変わらないだろう…」と正直思っていたところがあります。
でも、そんな気持ちで読んだスクリプトで、自分の大事な人生の一部を思い出したり、幼い頃の大切な気持ちが蘇ってきたりして、私の人生を大きく変えた1冊です。

表紙のげみさんのイラストがとても美しく目を引くのもお気に入りです。

今度は夏目ちゃんはどんな冒険をするのか?
どんな人を癒していくのか?
どんな困難を乗り越えていくのか?

小説だからというよりは、「夏目なら乗り越えられる!」という謎の信頼感があり、今の自分のヒントになるスクリプトが書かれているのではないかとワクワクしながら読み始めました。

心に響いた催眠ガールたちの物語

今回は夏目がまさかの恋!ということでドキドキしていましたが、恋愛以外にも自分の人生に応用できるようなストーリーがたくさん散りばめられていました。

特に私の心に残っている場面を、5つご紹介します。

①恋愛が上手くいかなかったのは、母親への怒りをパートナーにぶつけていたから

図書館でいきなり夏目に話しかけてきた今沢さん。
今沢さんは恋愛相手を傷つけてしまって、相手を破壊してしまいます。

そんな今沢さんのスクリプトを書くために夏目が部屋の間取りを聞いていくのですが、その時に夏目の頭の中に罵声が響いてきます。

そして、夏目は気づきます。
実は今沢さんは母親に怒りをぶつけないために剣道を続けていたということ、そして母親にぶつけられなかった怒りを現在の恋人にぶつけていたためにパートナーとの関係が上手くいかないことに気づいたのです。

そう、今沢さんは恋人を「母親の代わり」としてしまっていたのですね。

この話を読んだ時に、私も今沢さんと同じように恋人を責めたり傷つけることが止まらかった過去を思い出しました。
恋人が優しければ優しいほど「ありもしない傷つけられた事実」を作って、「私は被害者だ!」と訴えていたんです。
(たとえば、「他の女性とやり取りして浮気してるでしょ!」とか)

だけど、本当に怒りをぶつけたかったのは母親だったんだ…と気づいて、過去の自分に涙しました。
その母親への怒りとは罵倒されたとか殴られたとか以上に、「母親の傷ついた過去」を背負わされていたかもしれないこと。

これに気づいた時は、私は心底ゾッとして「これからパートナーを責めることがあったら、それは本当は母親にぶつけたい怒りだと気づこう」と思ったものです。

②滝のジオラマと達人への代金で、お金を稼ぐ美しさを知る

夏目のスクリプトの報酬ですが、今沢さんの時は参考書3冊でした。

これは私の解釈になりますが、『催眠ガール2』では「自分を大切にすること」や「自己犠牲」について語られているのかなあとぼんやり感じていたのですが、風間さんへのスクリプトの中に上手く「支払い」について語られており、「お、夏目上手いなあ!」というか「無意識はさすが!」と思いましたね。

読んでる自分にまでお金を稼ぐ催眠を入れられた感じがしました。
まるでお師匠さん(吉本先生)がマンションの立ち退きを要求された時のような「やったな!」感。

「まさかここで私の“お金を稼ぐ”という悩みを解決してもらえるとは!?」という予想外の展開と、お金を受け取る美しい流れ。

そう、本来お金を稼ぐということは相手や自分に負担を掛けて得るものではなく、相手のために何かをしてあげた感謝の気持ちで心地良く受け取るものではないのだろうか。

それがいつしか、「お金を要求する自分は意地汚い」という感覚であったり「質素に暮らす」ことが正しいことであるとして「欲にまみれてはいけない自分」を戒めていたような気がするのです。

風間さんのスクリプトで「お金を稼ぐ美しさ」に気づけたかもしれません。

③多重関係――FAP療法や催眠スクリプトを読んで破局した元カレ――

「多重関係」という言葉は以前から知っていました。
だけど、それでも私は夏目のように「苦しいパートナーを救ってあげたい!」という気持ちで、当時の彼氏にFAP療法や催眠スクリプトを実施して、その結果別れることになりました。

『催眠ガール2』は、そのほとんどが「恋愛のトラウマ」をテーマにしているところがあるのかなあとも思いますし、「多重関係」が裏テーマなのかなあとも感じています。

夏目が青木に催眠スクリプトを読むかどうか悩んでいましたが、好きな人に催眠スクリプトを読むことで「援助関係」になって親子関係になってしまう。
私が母親と繰り返してきた関係をパートナーと繰り返してしまう。

そうなんです、私はいつでも恋愛の中に「母親」や「母親の目線」を無自覚に持ち出していたのです。

だから、「自己犠牲することが愛」だと思っていたのですが、それだと恋愛関係ではなくただただ母親との関係を再上演しているだけなのでした。

そして、相手の母親になってしまって、お互いに関係をぶち壊してしまう。

「どうして私はパートナーの母親をしてしまっていたんだ…」とずっと自分を責めていましたが、その元カレとの関係が何ら変わったわけではないけれど、夏目と青木の関係を眺めているだけで癒されていく自分がいました。

催眠スクリプトを読んだことを悔やんでいたわけではないけれど、心のどこかで「私が悪かったから別れてしまった」と自分を責めていました。

だけど、「ああ、あれは私がFAPやスクリプトを読んだから別れたのか(笑)」となんだか軽い気持ちになったのです。

相手を本来の姿に近づけるとより仲良くなれるかもしれない!という私の欲は、見事に叶わなかったわけです。

相手が私に縋ってきたのも、私が「助けてあげたい!」と思って守ってあげようとしていたのも、その時点で上下関係のようなものが出来上がっていたのかもしれません。

本当の意味で「対等」と思える相手を、私の無意識はちゃんと知っていたのでしょう。

「相手を本来の姿に戻してあげただけ」と思うと、自分の中の罪の意識がスー…ッと軽くなっていくのを感じました。

④FAP療法や催眠を勝手に使って「怒られる!」という恐怖

私はまだ占い1本でやっていた時、占いのお客様に「催眠療法でトラウマを取る」というのをサービスで行っていた時期がありました。
遺伝子コードもお伝えして唱えてもらっていたりもしていました。

占いに来られるお客様は、この訳の分からない療法をすんなり受け入れてくれる方がほとんどで「効きました!」と仰ってくださる方も多かったのです。

けれど、中には遺伝子コードや催眠が効き過ぎてシャキーン!となり過ぎる方もいらっしゃって、「元に戻してください!」と言われることも。

私は、その当時の失敗をずっと抱えていました。

「専門家ではない自分が勝手に催眠を行って症状を悪化させたかも…」という罪悪感が強くあり、それこそ夏目が今沢さんに催眠スクリプトを読んだ時のような「怒られるかも…」という感覚をずっと持っていました。

だけど、夏目の苦悩とともに、私の中の「怒られるかも…」という恐怖がようやく消えていったのです。

「自分でなんとかしなければ!」といつも焦って怖くなっていたけれど、物語の中のお師匠さんの笑い声とともに自分の恐怖心が消えていった気がします。

確かに自分がしたことは褒められたことじゃないかもしれません。

でも、自分のことだけ考えると、あの時一生懸命お客様のために遺伝子コードを探ったから、自分の中の遺伝子コードのレパートリーはなかなか多いと思ってるし、遺伝子コードの効果も結構覚えました。
そして、中指ビンゴも大嶋先生にはまだまだ及びませんでしたが、大嶋チルドレンの皆様に「他の人よりも深い!」「治療者レベルだ!」と仰っていただけるところまで知らぬ間にたどり着いていました。

過去の失敗を繰り返していたら成長はないかもしれませんが、私は当時の失敗をちゃんと糧にできているのではないか…。
必要以上に罪の意識を感じるよりは、無意識を信じてこれからに活かしていこうという気持ちが、夏目とお師匠さんのやり取りで芽生えてきたのです。

「裁かれる」と思っていた恐怖が癒されていくのを感じました。

⑤失ったものを嘆き悲しむということ

これも以前の職場での失敗で、ずっと私の心に棘のようにチクッと刺さっていた話です。

その時はすでに大嶋メソッドを結構学んでいたのですが、あるお客様に対して「きちんと悲しんでください」と言い放ったことがあります。

そのお客様は、「傷つきたくない!」という思いから私の占いの力を借りたいとやってきてくださいました。

そりゃあ、私だって傷つきたくないですし、人生何事も上手く行ってほしいです。

だけど、あろうことか私は「傷つきたくない!」と仰っているお客様に「ちゃんと悲しむ自分の心を感じてください!」と他の人に丸聞こえの場所で言い放ってしまったのです。

私は、「他の人ならこのお客様にもっと優しい言葉を掛けられるだろう…」という恥と、「お客様を叱って恥をかかせてしまっている」という罪悪感で、しばらくずっとこの出来事を後悔していました。

だけど、きっと私は何度この場面をやり直しても、このお客様に「ちゃんと傷ついてください!」と言っていたと思います。

それだけ私はこのお客様に違和感を感じていたのです。

それが夏目が母親に言った

「嘆いて悲しんでちゃんと埋めてあげることで、生きている私たちはしっかりと踏み固められた地面の上を歩むことができるから」(p239)

なんだと腑に落ちました。
私はこれをお客様に伝えたかったんだ!と。

すべてを相手の望むことに合わせるのが優しさなのかもしれませんが、私が悪役になってこう伝えたことで、あのお客様に人生が何か変わっていたら良いなあ…と望むのです。
そんな都合が良いことがないと思いつつも…。

『催眠ガール2』を読んで自分に起きた変化

読み進めていくうちに、上でも書いていたように過去の自分の行いへの気づきがたくさん出てきて統合されていく感覚が強くありました。

夏目と私が過ごした環境は大きく違いますが―――たとえば、私は夏目のように高校時代に勉強していませんでしたし、受験勉強も全くしていません。そして男友達もいないし、昼休みにバレーボールもしていないし、家族には怖がられていて腫れ物に触るような扱いをされていました―――大人になってからの自分の罪の意識やトラウマを優しく癒してくれたようです。

本当に不思議に思うのは、『催眠ガール』を読むとなぜか仕事が捗ること。

自分の中にモヤモヤした感情があっても、ページを開くと私の中の無意識に優しく包まれる感覚があって、不安や怒りや焦りがスー…ッと落ち着いて消えていくこと。

読めば読むほど物語の展開が気になって、ページを捲る手が止まらなくなってきます。

こんなに小説に没頭できたのは10年ぶりぐらい。
(前作『催眠ガール』を読んでから文字が読めるようになったのは、また次回のレビューで書きます!)

そして、気づいたらお師匠さんの「大丈夫」の言葉が自分の内側からも響いてきます。
「面白いですね」「大丈夫です」と優しい声で私を包み込んでくれます。

また、大きな気づきというのは、亜美の

「お母さんは自分の幸せを追えるようになったよ!だって私のことを心配しなくなったから!」(p257)

のセリフで、「うわ!私が人のことを心配してる時って、自分の根底の恐怖を見ないようにしてたんだ!」と改めて気づき恥ずかしくなりました。

大嶋先生の他の著書でも触れられていますが、「人の心配をする」って自分の問題を見ないように回避している行動なんですよね。
うわー!やっちゃってた!恥ずかしい!!と思ってからは、自分の感覚により集中できるようになりました。

そして、一番大きな気づきだったのは青木の話です。

第四の発達障害
青木は頭をぶつけるスポーツをして知能を下げていましたが、私は夜に寝なかったりタバコを吸うことで数十年かけて知能を下げてきたことに気づいてしまったのです。

両親との知能差で自分が孤独を感じていて第四の発達障害になってしまっていたとしたら、私は母親よりももしかしたら知能が高いのかもしれない。

私の母親はある女子大の英文科を首席で卒業した秀才でした。
もし、その母親よりも自分の知能が高かったとしたら?

そんな恐ろしいことに思い当たってしまったと同時に、ずっと「優秀」だと思っていた母親より「自分は優秀なのではないか?」と認めた時に、自分の中の可能性が広がったような感覚がありました。

大嶋先生の最近のブログの呪文に『手加減が必要ない世界』というものがありました。
まさに「それだったんだ!」と分かってしまったのです。

私は誰に手加減して知能を下げて、いつも人のことにイライラしたり稼げない仕事をしたりしてきたのだろうか?と思うと、母親のためだったんですよね。

母親を追い越してしまう自分が怖かった。
なぜなら、母親より抜きん出たの力を見せてしまうと、母親に愛されないと心のどこかで思っていたのかもしれない。

だから、母親が嫌悪するタバコを覚え、深夜は寝ずに朝方眠って寝不足のまま仕事に行き、毎日お客さんへの罪悪感いっぱいで過ごして自分を責めて自分の知能をことごとく削ってきたのでした。

「かわいそうな自分」「弱い自分」となることで母親に守ってもらえると思っていたけれど、一切そんなことはなかったのです。

私はこの本を読んで「よし、本来の自分の知能で生きよう!」と心底思いました。

まとめ

人生の得体の知れないモヤモヤの正体は、もしかしたらこの本を読むことによって気づき癒されていくかもしれません。

自分で意識的になって「〇〇しよう!」「〇〇しなければ!」と思っていても、なかなか自分をコントロールすることは難しいです。

だけど、だらだらとこの『催眠ガール2』を読むことで、そしてこの本の中に書かれている「催眠スクリプト」を読むことで、「なんだか自然と体が動くようになってきた!」という経験を私は感じています。
それは体が動くことだけではなく、「いつからか苦手になってしまっていた読書が楽しめるようになった!」という気持ちもです。

夏目ちゃんに共感できなくもて大丈夫。
催眠スクリプトが何か分からなくても、あなたの人生のどこかにこの物語の種が植えられて、それが踏み固められた時に確かにあなたの人生の中で大きな花を咲かせて、そして種が地面に落ちていくのかもしれません。

・自分の人生が「なんだか冴えないなあ」と思っている人
・人生で何をすれば良いのか分からなくなっている人
・大嶋先生の催眠スクリプトに触れてみたい人
・小説を自分も書いてみたなあと思っている人
・人生を少しでも良いから変えてみたいなあと感じている人
そんな方にオススメです。
(あくまでも主観での感想です。効果には個人差があると思います)
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