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母親に嫉妬されて潰してもらったから、安全に生きてこれた

ひとりごと
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浦島太郎の話で、なぜ乙姫は太郎に玉手箱を渡したんだ!と納得できませんでした。
(ストーリーはうろ覚えです)

開けると老いてしまう箱を太郎が開けてしまうのは、悪いことだと思っていました。
でも、竜宮城で長い年月を過ごした太郎にとって、玉手箱を開けて老いてしまうことは幸せなことだったのかもしれないと今になって思うのです。

もし、トラウマだらけだった時の私が竜宮城から地上へ戻って「あ!知ってる人が一人もいない!」ということになったとしたら?と想像してみました。
そしたら、ちっとも寂しいと思わなかったんです。
むしろ、清々しい気分でした。

だけど、現在の私が長い年月を竜宮城で過ごした後に「あ!みんないなくなってしまった!」ということになったと想像したら、寂しくてたまらなくなりました。

心は、乙姫が太郎に玉手箱を渡したのは「嫉妬」だと言います。
竜宮城は願いを叶えてくれる場所で、玉手箱は「本当の望み」を大切にしまっている開けてはいけない箱なんだそうです。

玉手箱を開けないまま、もし太郎が生きていたとしたら、人々の嫉妬で潰されていたのかもしれません。
人々からの嫉妬で潰されないようにするために、「この玉手箱を決して開けてはなりません」と乙姫は太郎にプレゼントしたと心は言います。

私の中の「玉手箱」を、私はいつ開けたら良いの?と心に聞くと、心は「必要な時はおのずと分かる」と答えます。

そんな時に、ふと昔のことを思い出します。

私は家族が嫌いだったので、両親が死んでも仕事を休まないと思っていました。
迷いなく家族を捨てる人間でした。

誰かを失った時に、悲しみが分かりませんでした。
災害でたくさんの人が亡くなって、みんなが胸が痛いと言っている時に胸が痛まない私は、人間としての大切なものが欠落している人間だと思っていました。

でも、それはただ当時の私が自分のことでいっぱいいっぱいだったから。
そして、私が心の傷だらけになって死ぬことしか考えられなかった時に母親が助けてくれなかったのは、母親も自分のことでいっぱいいっぱいだったから。

家族の中にも友達の中にも居場所がなかった私は、死ぬことでしか希望を感じられないと思っていたから、だから逆に玉手箱を開けなかっただろうと思うんです。
だって、誰もいなくなっても寂しくなかったから。

乙一さんの短編の1つに「みんなこの世から消えてなくなれ!」と思ってたら、ある日マジで人がみんな死んだ!みたいな話がありましたが、大嶋先生に出会うまでの私はずっとあの物語の主人公と同じでした。

だから、みんながいなくなっても寂しいと1mmも思わず、むしろうれしいと思うだろうから、玉手箱を開けようとも思わなかったはず。
でも、今の私なら、世界からみんなが消えてなくなってしまったら寂しくて辛くて、きっと玉手箱を開けてしまうだろう。

どうして、いつから人を好きになることができて、人の痛みが分かるようになったのかというと、占い師を始めた頃なんです。
人って、私の話をちゃんと聞いてくれるんだ!とはじめて知ったのが30歳の頃。
それまで、誰も私の話に耳を傾けてくれないと本気で思っていた。
だから私は嘘吐きだった。

そして、家族も誰も私のことを助けてくれないと思っていたから、私は自分にしか関心がなかった。
自分で自分を守るしかないから、他人に興味なんて持てなかった。

先程の話に戻りますが、乙姫が支配者である母親で、竜宮城が母親の用意した幻想であって、玉手箱が「あなたは地上に戻っても決してこの箱を開けてはなりません」という意味で渡されたとしたら。

母親は私が他人からの嫉妬で潰されないようにするために、誰よりも真っ先に地上に戻る私に嫉妬してくれて玉手箱という爆弾を持たせてくれました。

玉手箱の中には本当の私の望みが大切に保管されているのだけれど、私は母親の言いつけ通りに「開けてはならないんだ」と思って、いつまで経っても手元に大切に開けないまま置いておくのです。

そして、「あの頃は良かったなあ」と、母親に愛された幻想の夢を見ながら白昼夢に入っていって、「今」を生きられなくなっていきます。

私にとっての竜宮城は、「赤ちゃんの頃は愛してくれたのに、社会に出てから愛してくれなくなった冷たい母親」というイメージを私の中に植えつけて、母親に言われたたくさんの注意を守っているのに、なんでみんなと馴染めないんだろう?と生きづらくて仕方ありませんでした。
さっさと玉手箱を開けて大人になれば良かったのです。

玉手箱を開けないことで母親の言いつけを守って良い子でいた私は、母親の幻想に縛られたまま成長できませんでした。

母親以外の人もちゃんと私を見て、私の話を聞いてくれると知った時に、母親以外の人も怖くないんだ!優しいんだ!と知りました。

だから、玉手箱を開けて冒険しようと、母親があれこれ注意して言い聞かせてくれたルールを破ることができたのです。

玉手箱を開けることは私の勇気であって、母親の呪縛から外へ出て世界を冒険することだったのかもしれません。

(ナラティブです)

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