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【過去作】ケーキが食べたい(休憩がしたい)

催眠スクリプト
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2019年8月30日に書いた催眠スクリプトです。

「ケーキを食べたいな」と思い浮かべました。
ケーキを食べたいな、と思った時に

「いやいや、ダイエット中だから」と思う人もいれば、迷わずケーキを買いに行ったり食べに行ったりする人もいるでしょう。

タルトのような、生地がかためのケーキが頭に思い浮かんでいます。
噛んだらサクサクッと音がして、じんわり舌に香ばしい風味が広がっていきます。
美味しさに頬がゆるんで、口角が上がっていることに気づきました。
「なんて幸せで贅沢な時間なんだろう」

なぜ、こんな美味しいものを食べることを今まで我慢していたのだろうか。
我慢していれば、他にもっといいことが起こったのだろうか?
いや、でも今一番したいことはケーキを食べることであり、これをしないことには本当の快楽は得られない気がしています。
フォークがカチャカチャとぶつかる音がこ気味よく続きます。
ひと口一口を口に運ぶスピードが上がっていきます。

ここはアンティーク系のカフェであり、フォークを置くと同時に、周囲のガヤガヤと賑わう声が耳に届いてきます。
ケーキを食べている時はそれに夢中になっており、食べること、味を感じること、今幸せであることのみに集中していました。
食べ終わった今は、この周囲の雑音の中に混じって後味と幸福感を噛み締めています。
カフェのくすんだ緑色の分厚いカーテンがふわりと風に揺れました。
濃い茶色の木目の木のテーブルの上に乗せた腕からひんやりとした感触を感じています。
焦げ茶色のテーブルはしっかりとワックスが塗ってあり、天井にぶら下がったチューリップ型のライトの光を反射しています。
なんだか場にそぐわなくテカテカしたテーブルのように感じます。
店員さんが慌ただしく脇を通り過ぎていき、ブワッと風が起こりました。
薄いピンク色のフリルがついたエプロンが、店員さんが歩く度にふわふわと揺れます。
薄暗い店内は窓が締め切られており、少し埃っぽいようなむせるような暑苦しさが漂っています。
自分はふだん、このようなアンティークなカフェではなく、都会の洗練された白が基調の涼しげで広い店内のカフェを選ぶのにな。
どうして今日はここを選んだのだろう、と疑問に思います。
テーブルとテーブルの間隔は、店員さんが一人通るのにピッタリの幅広さです。
それなのに、店内はたくさんの人で賑わっており、あちこちから笑い声が聞こえてきます。
ただ、もうしばらくここでまどろんでおこうかな、と。
そう思うと睡魔が襲ってきて、ウトウトとし始めました。
肩肘をついてそこに頭を預け、テーブルにもたれ掛かります。
自分のことなど、誰も気にしていません。
周囲の話し声が自分を守るオブラートのように、外界との間に膜を張ります。
頭がぼんやりとしてきて、でも眠れる気配もない。
ある程度気が済むまでまどろんでいるフリをしたので、上体を起こすことにしました。
木でできた古い椅子がギシッと揺れる音がしました。
相変わらず周囲はザワザワしており活気があり、全てのテーブルにお客さんが座っています。
自分が座っているテーブル席は本当は4人掛けだけれども、こんなにも堂々と一人で占拠していて良いのだろうか、と不安になってきます。
広いテーブルの、窓から1番遠い位置に自分は座っています。
なので外からの生活音よりも、店内の話し声の方がよく聞こえるのです。
店員さんがまたバタバタと横を通り過ぎていき、自分だけまったり過ごしているこの空間だけが切り取られている気がしてきます。
それは孤独感というよりも、水中にいる時のような静けさです。
いつの間にかテーブルの上の皿が片付けられていました。
もうここにいる必要はないし、自分には不釣り合いなちょっとダサいカフェなのに、どうして自分はここに留まっていようとするのだろう。
そんなことを考えていると、窓の外からかすかにクラクションが聞こえてきました。
みんな、生き急いでいるのだろうか。
自分も昔は、何かをなし得ようと必死だったなあと思い出します。
みんなは何に腹を立てて、人にクラクションを鳴らすのだろう。
そして自分は、いつこの喫茶店を出れば良いのだろうか。
そう、カフェではなく、ちょっと田舎から都会に出たところの喫茶店という感じだ。
だから違和感を感じていたんだな、ということに今頃気づいた。
―――
以下、AIが描いた催眠スクリプトのイラストです。

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