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『悲しみをエネルギーにするスクリプト』

催眠スクリプト
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カーテンが半分閉まったような薄暗い部屋の中、ここはある女性の家で、木のテーブルの上には大きな透明の円柱のお皿があります。

その透明の円柱のお皿の中には一輪のバラが挿してあって、女性はリビングを通るたびにそのテーブルの上の一輪のバラを見るのですが、何も言わずにテーブルにコトンと手をつき、そしてコーヒーを沸かしてバラの花の前に立ってゆっくりと飲むのです。

熱いコーヒーに舌が火傷しそうになるのだけれど、その熱さを感じれば感じるほど、女性は何かの痛みを忘れられるような気がして、もっと熱いものを…と求めていくのです。

女性は別にコーヒーが好きなわけではなく、なんとなく“コーヒーを飲む大人”がカッコイイような気がして飲み始めたんだけど、苦くて熱い自分の入れるコーヒーから立ち上る湯気を毎朝眺めるのが好きでした。

その湯気をぼーっと眺めているうちに窓の外の音が消えていき、部屋の中の時計のカッチコッチ…という秒針だけが大きく聞こえてくると、だんだん自分と空気の境界線がなくなっていくような感覚を感じます。

そうやって湯気や空気に溶け込んだ感覚をゆっくり感じながら女性の朝は始まって、だけど実は女性は、一日何もすることがないのです。

一日中この薄暗い部屋の中で過ごすのもなあと思いつつも、特にやりたいこともないし、何をやればいいかも分からないから、テーブルに肘をついたまま、ぼんやりと部屋の中を眺めているのですが、テーブルの上の一輪のバラの赤色だけが部屋の中の暗闇にとても映えていて、なんだか目が覚めるようなのです。

「もし、私がバラが似合うような女性だったら…」と、この一輪のバラを持っていて、さらに輝くようなキラキラのドレスを纏っている自分を想像してみると、ある大きなホールの階段の中ほどに立っている自分の姿が浮かび、そして次第に大きくなっていくクラシック音楽の演奏が聞こえてきます。

ホールの中にはオーケストラが演奏するクラシック音楽が、にぎやかな人々の声と混ざり合って、そのホールにいる人々はいろとりどりの衣装と光り輝くドレスを纏っていて、女性が立つホールの階段の下ではたくさんの男女が手を組み合って曲に合わせて踊っているのですが、なんだか自分には場違いなような気がして、女性は階段を下りていくことができずに、赤や黄色や緑の輝くドレスを眺めていました。

ホールの中でクルクルと曲に合わせて回る鮮やかな色のドレスたちは、女性の目にはとてもまぶしく、私もああなりたいと思う反面、なれないかもしれない…という弱気な自分も出てくることに気づきます。

だけど、女性はそのホールの階段を上がって、ホールを出ていくことはなぜだかしたくなくて、どちらかというとホールの階段を下りて、この鮮やかなドレスたちに混ざって自分も男性と手を組んで踊ってみたいなあなんて思っていて、オーケストラの曲が佳境に入ると同時に、一歩…また一歩と階段を下り始めたのです。

女性にとって、大勢の中の人に混じることはとても緊張することだったのですが、大きく鳴り響くクラシック音楽の演奏と大勢の人のにぎやかな話し声に溶け込むように、ホールに下りたったら自分も「その中の一員」となんとなく思えてきたような気がしました。

まわりの男女は規則正しく、互いの手を取り合いクルクルと回りながら踊っていて、女性も踊りたいんだけれど、ホールにいる人々はみな、もう相手がいるようなので、女性と同じく一人で佇んでいる人をなかなか見つけられません。

よたよたと踊る男女の間をすり抜けて、自分のパートナーになってくれそうな人はいないかとあたりを見回してみますが、あたりの人々はみな幸せそうに笑っていて、お互いを思いやる優しい言葉をかけながら、なんだか自分だけが不安な気持ちをかかえているのかなあと思ってきます。

そうすると、落ち着いた曲調に差し掛かった時に、ある方向からグンと手を引っ張られて、女性は驚いて姿勢を少し崩しましたが…なんとそこで夢から目が覚めてしまったのです。

にぎやかなホールにいたはずの自分は、少し薄暗いカーテンが閉まった部屋の中の木のテーブルに座っていて、目の前には透明のガラスのお皿に生けた一輪のバラがあります。

そのバラだけが部屋の中で光り輝くように鮮やかに咲いていて、時計の音だけがカッチコッチ鳴る部屋の中で女性は「さあ、今日の家事をしようか」と立ち上がります。

冷めてしまったコーヒーをぐいっと一気に飲み干して、久しぶりに部屋のカーテンを開けて見ると、そこには晴れた空が広がっていて、太陽のまぶしい白い光が女性の目に入り、部屋の中を照らしたので、女性は思わず目を閉じて顔を窓から背けました。

「外はこんなにも明るかったんだ」と、今はじめて世界を見たような感じがして、女性はひとつ大きな伸びをしてから、改めて白い太陽の光に照らされている窓の外の風景を眺めてみました。

そこには緑色の大きな木が規則正しく並んでいる街路樹があって、車がその街路樹の間を数台通り抜けて、その車は赤とか青とか緑とかの色をしていて、そして空は白く青く晴れていて、部屋の中にいる女性には窓の外の音は聞こえないんだけど、そこに通る車の音や風のうなる音が想像できるような気がしました。

カーテンを開けた部屋の中は明るく、もちろんテーブルの上の一輪の赤いバラは明るい部屋の中でも輝いているんだけど、暗い時はバラしか輝いていないように見えたのが、部屋の中に太陽の光が差し込むことで、部屋のキッチンも木のテーブルも、編みかけのマフラーも女性の服も、すべてが光り輝いているように見えて、まるで自分のいる世界が変わったように感じられました。

光り輝く部屋の中を一通り見渡して、「私は自分の身の回りがこんなに美しい物に囲まれて過ごしていたなんて気づかなかった」と改めて考えると、「私は、ちゃんとこの赤いバラを持っていても、赤いバラに引けを取らない」と気づいて、より一層テーブルの上の一輪のバラに愛しさが湧いてくるのです。

「さあ、私も今日はクラシック音楽を聴こう」と思い、いつも時計の音しかしなかった部屋の中で、レコードを鳴らしてみます。

そうすると、さらにますます自分の時間や人生に色がついたような感じがして、女性は楽しくなってくるのです。

ひとーつ!爽やかな風が頭に流れてきます。
ふたーつ!体がだんだんと軽くなってきます。
みっつで!大きく深呼吸をして、頭がスッキリと目覚めます。

『悲しみをエネルギーにするスクリプト』でした。

タイトル:「透明のお皿の上に乗った金色の鍵」

解釈:悲しみを受け取る受け皿は、(透明で)美しい。
そこに一輪の花を生けると美しい風景になる。

鍵の存在をいつの間にかバラだと脳内変換していて、書き忘れてしまいました…。
でも、もしかしたら何か他のメタファーが“鍵”の代わりの役割をしてくれているのかもしれません。
(分かりませんが…)

花瓶はこんな感じの大きいもののイメージでした。

今朝書いたブログの『美女と野獣』にもなんとなく繋がるものがあるのかなあ、とこのスクリプトを書きながら考えていました。
バラとか踊っている人々とか。

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