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感情的な人に振り回されないためのスクリプト

催眠スクリプト
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ある森の奥に、美しい湖がありました。

そして、その湖面をそーっと眺めてみると、星月夜がキラキラと映し出されているのが見えて、湖面の表面をあたたかくおだやかな風が撫でていきます。

すると、森の奥から梟の声が聞こえてきて、あたりにその声がこだましていきます。

そうして、森から吹くおだやかな風や鳥の囀りや、日によって変わる空模様の変化を、肌で感じることができるのです。

さらに注意深く湖を眺めていると、そこにはキラキラと金色に輝く大きな金魚のような鯉のような魚が泳いでいることに気づきます。

それから湖の金色の金魚は、その長い尾をゆらゆらと水中で左右に動かしながら星月夜の光に照らされて、小さく湖面にさざ波を立てる音がかすかかに聞こえてきます。

そして、湖面に映る星月夜は、金魚の泳ぐ波紋でゆらゆらとその形を崩して歪むのですが、その時の湖面が描く光の模様さえ美しく感じられます。

そんなことをしていると、私はまるでこの森が何か見えないものの意思で動いているような空気を感じて少し肌寒くなってきますが、空を見上げると見える薄い雲と空全体に散らばっている無数の星たちを眺めていると、自分が吐く白い息さえ幻想的なもののように見えてきます。

それはきっと、森の音が、私が普段聞くような音ではなく、聞きなれない鳥の声や湖のさざめきが、なんだか私をどこか知らない土地に取り残されたようなあの感覚にさせられるからかもしれません。

そうやって、美しい星月夜やそれを映し出す湖面を眺めることで、だんだんと自分の感覚を取り戻していくのです。

そんな時に、私は星月夜の中に魔女を見たような気がして、きらきらと瞬く夜空の一点をじっと見つめます。

なぜなら、私の視界の端に箒に乗った魔女のような黒いシルエットが見えたので、視界の真ん中でその姿を捉えようと首の角度を変えて夜空を見上げてみるのですが、静かな森に響く梟の声が一層大きく聞こえてくるだけでした。

そして、「もしかしたら、私は流れ星を魔女だと見間違えたのかもしれない」と思って、見上げて疲れた首を元の位置に戻して、少し左右に首の体操をしてみると、ほぐれたような感覚があります。

それから改めて辺りを見回してみますが、湖をぐるりと囲む森は夜になると真っ黒で1つ1つの木々の区別がつかないので、ただただ星月夜を映す湖だけがキラキラと輝いて見えるのです。

なので、私はそっと湖の脇にしゃがんで、その水を両手に掬うと空にある星月夜も一緒に掬えるかもしれないと思ったのですが、掬った星月夜は私の指の隙間から湖面にぱちゃぱちゃと音を立てて零れ落ちていきます。

そうやって指の隙間から落ちていく雫が湖面に描く波紋がまた美しくて、その波紋をそっと人差し指でなぞってみると、ひんやりと冷たい水の感覚を感じることができるのです。

けれど、こうやって目の前に美しい風景が広がっているのに、なぜか私の頭の中にはバッドが浮かんできます。

そうです、野球で使うあの木製のバッドが頭の中に浮かんできて、それと同時にホームランを打った時のカキーン!という音と野球少年たちの歓声がよみがえってきます。

かと言って、私の記憶に野球少年と一緒に野球を楽しんだ覚えもないし、野球観戦にも行った思い出がないので、「一体これは誰の記憶なんだろう?」と不思議に思いながら、脳内のイメージにしばらく注目してみます。

そうすれば答が見つかるような気がして、しばらく「何が起こるのだろう?」と思って突然脳内に現れた野球少年たちの行方を追ってみるのだけれど、一向にその答は私には見えてきません。

それどころか、ますます私の中で疑問が広がっていく感覚があって、でも、それとは反対に私の脳内の野球少年たちの歓声はどんどん大きくなっていくのです。

けれども、私はなぜか目を開けて元の美しい星月夜を見る気にはなれずに、このよく分からないゲームの勝敗まで気になってしまって、炎天下の中、被った帽子の下を汗だくになりながら、誰のチームか分からないチームを応援していました。

だけど、いくら時間が経っても決着がつかなくて、試合は延々と同じムードの中、それでも熱気を下げることなく続いていくので、「これは埒が明かん」と思って、私はついに瞼を開けてあの星月夜の世界に戻ることにしたのです。

そして、ゆっくりと薄く薄く瞼を開いていくと、そこには先ほどまでの熱気も歓声もなく、ただ静かな湖畔と森のざわめきと、一定間隔にぽつりぽつりと独り言のように鳴く梟の声がありました。

すると一気に肩の力が抜けて、私はその場にぺたりと座りこみました。

その時に、太ももに感じる草のやわらかくも固い感触や、少し湿った土の砂が足にへばりつく感覚が、子供の頃に近所でシロツメクサの冠を作っていた記憶を呼び起こします。

それから、私は背中から草の中に勢いよく倒れてみると、すぐ横をびっくりした蛙が驚いてピョンと飛んでいくのが見えて、また風の音に耳を傾けてみるのです。

そうやって、静かだけれど音があることが、私には特別なことのように感じられるので、ずっとその音に耳を傾けていたいと、目を閉じてじっと腕や足や額の空気の温度に集中していきます。

そうしていると、仰向けの体の真正面にある星月夜がまるで私の体内にも広がっていくように感じられて、私は瞼の裏に宇宙を見ることができるのかもしれません。

そして、瞼の裏の宇宙を眺めていると、渦巻き銀河やレンズ銀河の青やピンクや緑が見えてきて、私は聞いたことはないけれど、恐らく宇宙の音で頭がいっぱいになっていきます。

そうすると、まるで私が宇宙になったような、宇宙が私の一部のようなそんな感覚が全身に広がっていくので、人間だった頃に感じていた風や音の何十倍もの感覚でそれらを受け取ることができるのです。

それはきっと、私が今見ているものを越えて、見えないものまで見ることが出来る感覚かもしれませんし、私にはまだまだ知らない世界が広がっているのだと、宇宙がそう教えてくれているのかもしれません。

けれど、私が宇宙に身を委ね始めてから私は身動きができなくなっていて、寝返りを打とうとしても、瞼を開けようとしてもピクリと動かないので、ただただ私は聞いたこともない宇宙の音を聞いていることしかできないのです。

そして、それはだんだんと自分の輪郭が消えて宇宙と一体になるような、美しい星月夜と同じ存在になれるような、透明な空気の一部になれるような、そんな気がしているのです。

 

ひとつ、爽やかな空気が頭に流れてきます。
ふたつ、身体がだんだんと軽くなってきます。
みっつ、大きく深呼吸をして頭がすっきりと目覚めます。

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