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【Shrink~精神科ヨワイ~】すごく良いです

書籍レビュー
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ここ数年、心の病に関するコミックが増えてきましたね。

今回は、8月末にドラマ化した【Shrink~精神科ヨワイ~】の紹介です。
(原作・七海仁さん/漫画・月子さん)

アメリカでは精神科医のことを「シュリンク」と呼ぶスラングがあるのですが、「妄想で大きくなった脳を小さく(shrink)する」という意味があるそうです。

精神科医の弱井先生が、パニック発作やうつ、適応障害、発達障害、パーソナリティー障害などさまざまな心の病を抱えた人と接して回復していくプロセスが描かれています。

心の病のことを知るために大変勉強になる内容で、認知行動療法やEMDRのお話なども出てきます。

しかし、私が最もオススメしたい理由は、この本を読んで「私ももしかしたら苦しんでいるのかもしれない」と自分の状態に気づけることです。

私は、大嶋先生の本を読んで「やっぱり自分にトラウマがあるのかもしれない」と確信を持ちながら、それでもいざ精神科や心療内科へなかなか繋れませんでした。

もっと遡れば、中学生の頃から家にある「家庭の医学大全」で精神病の項目を何度も読んで「自分に当てはまるなあ」と思いながら、両親や誰かに打ち明けることを躊躇ったまま何度も自殺未遂などをしてなんとか生き延びてきました。

もっと早く病院に行っていれば、20代を台無しにしなかったかもしれない。
学生時代にきちんと勉強が出来て、四大を卒業して、普通に就職できたかもしれない。
そんな「かもしれない」が頭を過るけれど、「心が弱いと思われたくない」という気持ちもあり、誰にも言い出せませんでした。

「トラウマは誰にでもある」と大嶋先生の本に書いてあるし、「些細なことでもお話ください」と言われても、やっぱり「自分の悩みは大したことないんじゃないか」と思って、苦しい気持ちに蓋をしたままどんどん仕事に行けなくなって外に出るのが怖くなっていきます。

昔の私と同じように、「まさか自分が心の病だなんて!」と思って精神科への受診を躊躇う人物もこの【Shrink】には出てきますし、周りから見て明らかにおかしいのに「自分は正常だ!」と頑張ってしまう人物も登場します。

苦しかった当時、【Shrink】を読んでいれば「自分もそうかもしれない」と素直に病院に行っていたんじゃないかと思っています。

あの時、ヨワイ先生みたいな素敵な先生に出会えていたら、私の人生も変わっていただろうな~なんて思ったり(笑)

自分がおかしいのではなく、そこにあるのは自分の体からのメッセージかもしれません。
私もよく「自分は体力がないから、すぐにしんどくなるんだ」と思っていました。
そして、「自分がダメ人間だから、他の人みたいに普通に会話できないんだ」とも思っていました。

でも、おかしい自分を正そうとするのではなく、「個性」として捉えてみる。
みんなと同じように出来るようにと頑張るんじゃなくて、「自分には無理だ」というボーダーラインをきちんと把握する。

ヨワイ先生は、私が思う「ダメな私」をダメだと言いません。
そこにはいつも「あなたは今のままでも素敵だから」というメッセージがあり、登場人物を通して私たちに伝えてくれています。

読むセラピー漫画として、オススメです。
毎日頑張っている人へ。

 

👇鈴木マサカズさんの作品もオススメです。

【「子供を殺してください」という親たち】

株式会社トキワ精神保健事務所所長・押川剛さんのノンフィクションストーリー。
統合失調症や鬱病を発症しながらも長年医療に繋がれずにいる「子供」とその「親」との物語。
私は押川さんのように説得はできないなあと思いながらいつも読んでいますが、押川さんの行動力や考え方は大変勉強になります。

【ケーキの切れない非行少年たち】

知的なハンディキャップが原因で非行に走ってしまった少年たちの物語です。
知能の問題で起こる周囲との摩擦や軋轢、「なぜ出来ないの!」と理解してもらえない孤独感。
苦しんでいる少年たちや家族に焦点を当てて、児童精神科医の宮口幸治さんの経験を元に描かれています。

【マトリズム】

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麻薬取締官のお話です。
完結しています。
ラストはなんとも現実感のある感じで、逆に私はそこが良かったと思っています。
内容は麻薬ですが、依存症ってこんなふうに落ちていって回復するんだなというリアルさがあり、そこに付随している罪悪感や葛藤もなんとなく想像できてしまうから恐ろしい。
隣にある恐怖とはまさにこのことかもしれません。

鈴木マサカズさんは【最果てのサイクロプス】からファンです。

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生まれながらにして超能力を持った主人公たちが謎の組織に集められるところから物語はスタートします。
内面の心理描写や葛藤が素晴らしいです。

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