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『やる気が出なくてダラダラしてしまう人へ送るスクリプト』

催眠スクリプト
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普段は街頭がポツポツ並んでいるだけの暗い参道に、今日はいろんな出店が並んでいて、煌々とした光で神社までの長い石段が彩られています。

太陽が沈んでまわりが暗くなってきた頃、石畳には赤や黄色の光が反射して、あたりはガヤガヤと騒がしくなってきました。

出店同士は向かい合っていて、その間を人々が歩いて石段を上っていくので、人々の熱気に混じって唐揚げの香ばしいにおいやフライドポテトのそそる匂いが鼻を刺激します。

私は、暗くなってきたので、足元をよく見て確認しながら、一歩一歩と石段を上っていきます。

両耳からは屋台のお兄さんの勢いがある声が聞こえてきたり、どこかで泣いている子供の声が聞こえてきたりするけれど、間違って足を踏み外さないようにと一段一段上るたびに爪先を確認しながら足の裏の感触を確かめるのです。

いつからか私は、人の顔を見ずに話すようになっていて、だから話し相手が今怒っているのか笑っているのか分からなくて、いつもビクビクしてしまうのです。

多くの人の波に囲まれた今だってそうで、私のまわりにいる人が私に対して嫌悪感を抱いているのかどうか分からなくて、私はじっと俯いたまま、ただ石段の数を数えながら神社へと上っていくのです。

石段を一歩上がるごとに、足元の赤や黄色のライトの色が移り変わっていって、私の靴の先を照らしているけれど、私はただひたすら自分の足音だけに耳を傾けながら、俯いてなるべくまわりを見ないように上っていくのです。

この階段の先にはこじんまりとした神社があるのだけれど、その神社は今日は多くの参拝客で賑わっていることが予想されるので、なんとなく足取りが重く気が滅入ってくる。

だけど、自分の爪先に一点集中をして、そこから意識を逸らさないようにゆっくりゆっくりと右足と左足を交互に出して階段を上っていくうちに、やがて視界の端が開けたような感覚に気づくのです。

神社の前には参拝客が長蛇の列を作っており、お賽銭を投げて鐘をガランガランと鳴らす順番をみんな待っているようです。

なかなか自分の順番が回って来ないので、列にいる人々は赤い文字で「祭」と書かれた大きな青いうちわを扇ぎながら、前を並んでいる人を眺めて立っているのを見て、私は「あの列には並ばずに、境内を散歩しよう」と思ったのです。

境内の中には屋台がなく、人の列から少し遠ざかるとしん…とした街頭だけの寂しい場所に行き着きました。

人のざわめきが向こうの方から聞こえてくるけれど、私が今いる街頭の下では、かすかに梟のような鳴き声がするだけです。

少し冷たい風が腕を撫でて、ぶるっと身を震わせます。

私は、こんな暗い場所で空を見上げるのが好きです。

暗い場所から見上げた夜空は満天の星がキラキラと輝いていて、空気が澄んでいるのが分かるし、何も遮るものがない場所では肌に当たる風の冷たさや遠くから聞こえる虫の声で、夜を感じるのです。

夜は、たしかに寂しくて怖いかもしれないけれど、何もない星空の下で感じる夜は、私にとっては大地と繋がっていると感じられるような、とても大きく開放された気持ちになれるのです。

両手いっぱいを広げて、夜の冷たい空気を肺に流し込んでみると、まるで自分が生まれ変わっていくような感覚がして、目の前に広がる夜空が私の中にまで広がって体の隅々が宇宙になっていくように思えるのです。

私の中が宇宙で満たされると、小さな悩みごとも大きな考え事もすべてブラックホールに吸い込まれていくようで、そこにはただ爛々と輝く星たちが幸せな歌を歌っているだけなのです。

その陽気で幸せな歌を聞きながら、目を閉じると、指の先から爪先までが宇宙と輝く星々となり、私の体が宇宙と一体になっていく感覚に身を預けるのです。

私は、境内で並んでいる人々が持っていた大きな青いうちわを思い出し、私の中の宇宙も同じ青色だなあなんて考えます。

あの人々の喧噪が懐かしくもあるし、でも今私の周りで瞬く星たちが奏でるメロディをずっと聞いていたい気持ちもあります。

夜が、更けていくにつれて、私の体が冷たく冷えていくけれど、ますます冴えてくる自分の脳内を感じながら、「私は宇宙であり、宇宙は私である」とより強く自分の中に刻み込んでいくのです。

ひとつ、爽やかな風が頭に流れてきます。
ふたつ、身体がだんだん軽くなってきます。
みっつ、大きく深呼吸をして!頭がすっきりと目覚めます。

 

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