来月の【心の栄養読書会】の課題本である『無意識を活かす現代心理療法の実践と展開』。
大嶋信頼先生がお好きな人は「吉本先生の本」と言うと分かりやすいかもしれませんね。
ずっと読もう読もうと思って数年間積読していた本ですが、次回の読書会の課題本だと中指ビンゴが言ったため、現在読み進めています。
この本、すごいですよ!!
なんでもっと早く読まなかったんだろうって後悔してます。
いや、すごい本だからこそ、なかなか手に取れなかったのかもしれません。
この本は催眠スクリプトで良い無意識を起動して意識を手放し、心の傷から解放されていくには?ということについて専門的に書かれているのでちょっとズレた感動だと思うのですが…
この本に載ってる催眠スクリプト、ぜんぶものすごく効果がある!!!!!
「事例」として、さまざまな先生の書かれた催眠スクリプトと解説が載っているのですが、正直適当に読み流しただけでこんなに効果あるとは思わなかったです。
(催眠スクリプトは、私は基本適当に読み流しています。じっくり読むと、まったく頭に入ってこなくて全然読み進められないので(笑))
だいたいのスクリプトは読んでいても全然頭に入ってこなくて、気を抜いたら何度も読み返してしまいそうになるのですが、中でも「うわ!まったく何書いてあるのか理解できない!」というレベチなスクリプトがありまして。
吉本先生が書かれたものでした\(◎o◎)/!
これはすごい。
(特に、1つ目のスクリプトは2つとも全く頭に入ってきませんでした)
こんなん聞いてたら一瞬で寝てしまう自信があります。
こんなすごいスクリプトを書く先生に催眠を習っていた方々が羨ましいですし、吉本先生にカウンセリングを受けていた方々も羨まし過ぎます。
嫉妬するレベルを軽々超えています。
しかも、この難しい話を大嶋先生が我々に分かりやすくたくさんの書籍やブログで解説してくださっていて、本当に有難いことです。
また大嶋先生の人生に触れられた気がして、大嶋先生の凄さも同時に無意識で感じています。
さて、まだ第Ⅰ部しか読んでませんが、どのスクリプトも素晴らしく(スクリプトを読む本ではないと思いますが…)、効果を実感しております。
今読んだ中の一番は、平野先生が非行少年に書いた『思春期の心と治療同盟を築く』です。
何にも意識で理解できていないのに、号泣しました。
平野先生と少年の関りも素晴らしく、
左側にいる筆者とは目は合わせず、部屋の右側に目をやりながら「別に」「やだ」「知らねえ」などという形での筆者との会話は可能。(p80)
たぶん本書の中で言いたいことは絶対ここではないですが、たしかにこれは会話として成り立っているんだなあと気づかせられ、平野先生の臨床心理士としての態度に学ばせられました。
『ブラキシズムの軽減をめざして』を書かれた歯科医の石井先生の催眠スクリプトもすごく効果があったのですが、解説の中で
彼女は「私は弱いから落ち込む」とよく言ったが、問題から逃げることなく正面から向き合っている姿勢は、<悩むことのできる力>(ドフトエフスキー)にほかならない。(p57)
と仰っていて、胸を打たれました。
私も、自分は弱い人間だからちょっとのことですぐ落ち込んでしまうと思っていましたし、実際に母親から小学生の頃に何度もそう言われていました。
でも「悩む」ってことは、正面から問題と向き合っている証拠なんですね。
そして、クライアントが「自分の弱さ」だと思い込んでいるものの中にこそリソースがあり強さであると仰っています。
「弱さ」だと思って自分を恥じる必要はないんですよ。
ちなみに「ブラキシズム」とは食いしばりのことで、私も幼少期からひどい食いしばりで歯が削れてるのですが、石井先生のスクリプトを読んだ後に食いしばりがなくなって「あれ?あれ?」ってなってました(笑)
その他にも素晴らしい催眠スクリプトがバンバン出てきて、たいへん勉強になります。
スクリプトを読む本ではないですが(笑)
専門書なので値段が高めの本ですが、お値段以上の価値は十分にあると感じています。
ちなみに心の栄養読書会は3月の第1日曜日なので、こちらもぜひご検討ください。

最後まで読めていなくても大丈夫です。
では、あまり書き過ぎると読書会のネタがなくなるので、このへんで…
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