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【リクエスト】眠れない、自分を傷つけてしまう人への催眠スクリプト

催眠スクリプト
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眠れない夜に、ふと瞼を閉じてみると、瞼の裏にある景色が浮かんできたのです。

その景色は、私の目の前にピンクの可愛らしい扉があって、その扉の向こうに階段がゆるい螺旋状に続いている光景でした。

頭上遠くから、まるで天国にいるかのような美しいメロディーが聞こえてきて「この音楽は何ていう曲なんだろう?」と、自分の記憶を探っていきます。

すると、私の握りしめた掌のあたたかさをじんわりと感じることができて、ちょっと汗ばんだ掌にビックリするのです。

目の前のピンクの扉は上部がアーチ状になっていて、下には地面がありません。

扉も階段も宙に浮いている状態なので、「もしや私も!?」と思って自分の足元を見てみると、やはり私も宙に浮いていたので驚いてバランスを崩しそうになりましたが、頭上から聞こえてくる美しいメロディーに注目を向けると、焦ってバランスを崩しそうになっていた体がまっすぐになって、全身の力がちょうどよくゆるく力が抜けていきます。

それを感じた時に、「ああ、私は今までがんばってきたんだな」と、自分の体に力が入っていたことを思い出して、両手で左右の腕をそっと抱き、その感触を確かめます。

私は、目の前にあるピンクの可愛らしい扉を開けようかどうか迷っています。

なぜなら、その扉を開けなくても、扉の後ろにはズラズラッと長い階段が渦巻き状に空へと上っていっていることがここからでも確認できるので、わざわざ扉を開けて向こうの景色を見に行かなくても良いじゃない!と思うし、ここにいて美しい鐘のようなメロディーに身を預けている方が心が癒される気がするのです。

でも、目の前に扉があるなら開けた方が良いんじゃない?と私の中のある声が私に囁いてくるので、私は眠くなる瞼を一生懸命持ち上げて、夢の中に落ちていきそうな頭をフル回転させようとします。

「心地良さばかりに身を預けていたらダメなのかなあ?」と思ったりもしますが、そこで私は、小学校の頃に中庭にあった鯉の池を思い出します。

その池は5歩で一周をぐるりと回れるような小さな池だったのですが、池の中には5匹の大きな鯉が泳いでいて、そのなめらかな肌はオレンジ色にテカテカと光っています。

時折パシャッと鯉が水面に顔を出しますが、鯉の泳ぐ姿をじっと見ている内に、私も一緒に水の中を泳いでいる気分になってきます。

水の中に手を突っ込んでみたら、ひんやり冷たくて気持ち良いんだろうなあと想像してみます。

すると、深い海の底から海面を見上げているような感覚になってきて、海の中に射し込む光や、自分の口からゴボゴボと出てくる空気の泡が見えると、「私は生きているんだなあ」と思い出すのです。

海の中はとても静かで、たまに私の脇を通るシロナガスクジラの泳ぐ音が、私の体全体に振動となって伝わってきます。

私の肌は、冷たい水の温度とまわりを泳ぐものたちとの水の流れで、まれに方向感覚を失います。

そんな時に、海面の光が射している方向を確認すると、「あ!こっちが上でこっちが下なのか!」と自分の立ち位置がハッキリと分かります。

こうやって魚たちは泳いでるのかもしれないなあと思うと、私は他の魚たちの流れに身を任せて、同じ方向へと波に乗って泳いでいける気がするのです。

魚たちは、私には聞こえないけれど何かコミュニケーションを取っているようでもあり、流れに身を任せていると、私にも聞こえないはずのその会話の内容が聞こえてくるような、そんな感じがあります。

浅瀬の方に着いたので、足を着いて海面から顔を出してみると、目の前には夜の砂浜が広がっていました。

夜の暗い砂浜には誰の姿も見えないので、私は濡れた姿のまま気にせず海からザバザバと上がって、水分で重くなったスカートの裾を絞ると、静かな夜の波の音に耳を澄ませます。

波が、寄せては返し、それを繰り返しながら、月を反射している海面は、まるであの絵画のように幻想的で美しく見えるので、「もしかしたら、私も物語の中の重要な人物の1人なのかもしれない」とハッと気づくのです。

私が、私の物語の中の1人だとしたら、私はどんな人生を歩みたいだろう?と思った時に、高校生の頃の自分を思い出しました。

高校生の頃、授業が終わって帰宅する夕方、みんなが一斉にクラスから出てきて下駄箱はごった返します。

私は授業が終わった後に夕方のあの雰囲気が好きだったので、ざわざわとたくさんのにぎやかな声が聞こえてくる廊下で人に揉まれながら、ボーッとその喧噪に揺られます。

みんなが何を話しているのかは分からないけれど、私が答える必要がないその声に揺られながらゆっくりゆっくりと廊下を歩むのは、まるで夢の中にいるようでとても心地が良いのです。

それから私は、自分の靴箱を探し出して、上履きからローファーに履き替えます。

男子のふざけた大声が正面玄関の向こうから聞こえたり、女子たちの笑い声があちこちから聞こえるけれど、私は黙々と靴を履き替えて校門を目指します。

まだ、「何者になりたい」とかはっきり明確に決まっているわけじゃないけれど、今の私はなんだか「最強」な気がするし、他のみんなと同じ制服を着て同じ道を行って帰っているだけなんだけど、「私は私」でここに立っているんだと、なんだか走りたい気持ちになってくるのです。

集団で帰っているみんなを走って追い抜かして、「わー!」と叫んだ時、私の中の何かが弾けて始まるのかもしれません。

誰も私に気づかなかったとしても、私は「わー!」と叫ぶことで、自分でその存在を確かめられるのです。

だから、走っている時の足の裏の感覚に注目した時に、その地面の固さやコンクリートのジャリジャリとした感触は、私に「それをもっと感じろ!」と言っているような、そんな気がするのです。

ひとつ、爽やかな空気が頭に流れていきます。
ふたつ、身体がだんだんと軽くなっていきます。
みっつ、大きく深呼吸をして!頭がすっきりと目覚めます。

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