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母親の悲しみは母親のもの、私の悲しみは私のもの

ひとりごと
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「母親の支配」というと、具体的に何が思い浮かびますか?
私の場合は「罪悪感を与えられる」です。

何かするたびに母親の顔がちらちらと脳裏に浮かんできて、「こんなことしては怒られるかな」とか「こんなこと言うのは常識外れかな」と考えます。
けれど、実際に私が誰かに責められるかというと、まったくそんなことなかったんです。

それに気づいたのは、大嶋先生の【それ、あなたのトラウマちゃんのせいかも?】を読んだ時です。

私は、母親がかわいそうでかわいそうで仕方なかったんです。
だけど、この本を読むまで自分が母親のことを「かわいそう」だと思っていることに気づきませんでした。

たとえば、母親は私がまだ小さい頃、1人で隣町のスーパーに自転車で行っていました。
その時にロングスカートが自転車のタイヤに引っ掛かってしまって、田んぼの真ん中で転んでしまったそうです。
どうにも身動きができない中、母はたまたまそこを通ったおじいさんに助けてもらいました。

私はこの話を聞いた時に、どうしようもなく母親がかわいそうでした。

当時の私の年齢は、小学校にも入ってなかった頃かもしれません。
自分には何もできないと分かっているんだけれど、どうして母親が悲しくて孤独な目に遭わないといけないんだろう!と世の中に憤ってばかりいました。

でも、実際には私自身がずっと母親を苦しめる存在で、家に帰っては母親と喧嘩して、母親に言ってはいけないことを言って、母親を罵ってきました。
それをいつまでもいつまでも後悔して、「どうして私は家族にも他人にも優しく接することができないんだろう」と長年悩んできました。

だけど、もしこれが支配だったとしたら?

私の支配の内容は『孤独』です。
私はカウンセリングのインテークで成育歴を話すまで、自分が「孤独」だということに気づいていませんでした。

なんだったら、友達が0人なのを誇りに思っていたし、家族と疎遠なことも「自立できていて素晴らしい!」ぐらいに思っていました。

でも、何が弊害だったのかというと、常に心が沈んでいて悩んでいても誰にも打ち明けられないこと。
大嶋メソッドでは悩みを人に話さない方が良いと言われていますが、あんまりにも誰にも話さないのは「共感し合える人がいない」ということでやっぱり弊害です。

母親は私に「孤独」という絶望感を与えて、悲しみと罪悪感をプレゼントしてくれたんです。
なぜなら、「世の中は厳しくて辛いところ」と教えていた方が、私が安全に生き延びられると信じていたから。

そして、私が知らないところで傷つく母親を助けられなかった罪悪感や悲しみはちょっとやそっとでは拭えなくて、いくら「楽しく毎日を過ごそう!」と思っても母親のことを置き去りにして自分だけ楽しむことなんて出来ません。

「楽しい!」と感じている時に、必ず母親のことを思い出していたわけではありません。
むしろ、意識では母親のことを全く思い出していないつもりでした。

けれど、無自覚に不幸な母親と幸せな自分を比較した時に、「幸せ!」と感じた瞬間にものすごい罪悪感が湧いてくる。
だから、幸せなはずなのに心の底から楽しめなくて、誰とも一体感を感じることができなかった。

そんな時に、<私の悲しみは私の悲しみ、母の悲しみは母の悲しみ>と唱えてみる。
すると、すーっと私の中からえも言えぬ罪悪感や孤独感が消えていく。
あれ?と思う。
ああ、これは私のものじゃなかったんだ。

私の不快感か母親の不快感かを見分ける方法がある。
それは、母親に与えられた罪悪感は私から拭えないということ。

たとえば、遺伝子コードを唱えたり呪文を唱えたりしても「全然消えないんですけど!」という不快感がある。
そんな時に、「これは母親の感覚かもしれない」と気づく。

意識の話でいうと、私が日々「もっと実のある毎日にしよう!」と努力しているとする。
しかし、いくら頑張ってもなんだか許されない気がするし、頑張れば頑張るほど疲労感がある。元気が出ない。

こんな時に、「もしかして、母親から“生きるエネルギー”を奪われているのかも?」と思ってみる。
だから、ずっと死にたいと思っていたのかもしれません。

“生きるエネルギー”とは、生きる活力であったり、毎日が楽しい!と感じる力です。
夢を見たり、遊んだりするエネルギー。
これを奪われてしまうと、やる気が出なくなっていつもだらだらしてしまう。
常に後ろ向きでネガティブなことばかり考えてしまう。

それらがもし全部、母親に入れられている支配だとしたら?
母親から「外は危険ばかりだから、お家にいなさい!」と足を奪われているような感覚だったら?

私が生まれる前から不幸続きだった母親が、私も母親と同じ目に遭わないようにと私に与えてくれた暗示。
私は母親に何かしたいと思いながら、何もできないもどかしさで生きてきた。

だけど、母親が望んでいることは私が元気に暮らすことよりも、「自分と同じ不幸な目に遭ってほしくない」ということ。
だから、私は母親にエネルギーを奪われて、危険な社会に出なくても済んでいた。

もう母親の元を卒業してもいいのかもしれない。
そう思った時に、私は「世間って案外優しいんだな」って知ったんです。

ーーー

ここに出てくる呪文や解説は、私の心が言っているオリジナルです。

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