心の傷は見えにくいからつい我慢してしまったり、「気のせい」だなんて思ってしまいますが、これが目に見える怪我だったら重症度が分かりやすいと思います。
目に見える場所に傷口があると、ついつい気になってかさぶたをいじくってしまいます。
すると、せっかく治りかけていたのにまたかさぶたになるまで待って、かさぶたになったら気になっていじくって…を繰り返してしまって、怪我が長期化してしまします。
疲労も同じなのですが、疲れている人に限って「ちょっと寝たら回復するだろう」と自分の疲労具合を甘く見積もっていたりします。
「自分は全然やれてないから、まだ動けるはず」とか。
意識で考えると、「今日は何も出来ていないから、疲れてないはず!」と思うのですが、体は全く動かない。
「なんで?あんなに休んだのに?」と頭では考えます。
でも、体が動かせないとか動く気になれないのは、体からの「まだ疲労は取れてないよ!」のサインです。
なぜか我々は自分に厳しい。
「もっとできるだろ!」と自分の体に鞭打ってしまいます。
セルフブラック企業です。
そこで、私の心に「心よ!かさぶたが気にならない呪文はある?」と聞いてみました。
治りかけのかさぶたこそ「目障りな傷口を早くなくしたい!」と思っていじって振り出しに戻してしまうから、いじって悪化させず早く回復させるためにも「気にならない呪文」が便利かなあと思ったのです。
すると心は「考えない!」と言いました。
またか!ですよ。
それは分かってんねん。
でも、心は言います。
「考えている」と気づくことが大切だ、と。
つまり、「考えないようにしよう!」と努力して思考を止めるのではなく、「あ!今、自分はこの傷口について考えていて気になっているぞ!」という自分の自動思考に気づくこと。
気づいて何とかしようとしてしまうと意識的になってしまいます。
意識は無意識を邪魔してしまうから、意識的になればなるほど自然に治るものを邪魔してしまいます。
「成り行きに任せる」って、なかなかもどかしいですよね。
私も、無意識に委ねたほうが美しい未来に繋がると分かっているのですが、ついつい手や口を出してしまいます。
だけど、この「分かっているんだけど」と枕詞をつけてしまう時ほど意識的になっている時なので、「考えない!」と頭の中で呟いてみる。
考えないように努力するのではなく、「考えなーい!」とヒーローが変身する時のように頭の中で唱えるだけ。
もちろん、何かを断ち切るしがらみカッターをイメージして「考えない!!!」と頭の中で大声で言うのもアリです。
かさぶたをいじりそうになったら、とりあえず「考えない!」。
これを繰り返していくことでだんだんかさぶたが気にならなくなっていって、気づいたら「あれ?治ってる」とうれしくなって、次からは「怪我した時はいじらない方が早く治る!」と自分を抑制していけるのだと思います。
蚊に刺された時も同じ要領でいけるでしょう。
それと同じように、「あの人、私のことどう思ってるんだろう…」と考え始めたら「考えない!」と頭の中で叫ぶ。
「この前、嫌なこと言ってしまったなあ」と反省しそうになったら、「考えない!」と頭の中で唱える。
「考えない!」を繰り返していくことで目の前のことに淡々と取り組めるようになって、やがて人のことを考えている時間がかなり少なくなっていることに気づくはず。
今までどれだけの時間を他人に奪われていたんだ、と。
「考えない!」
そんなこと分かっとるわ!と思う人も、とりあえず何も考えずに「考えない!」を頭の中で連発してみてください。
疲労もそうなのですが、回復する前にいじってしまうとどんどん蓄積していって負債が増えてしまいます。
なので、回復するためには問題となっている物事から距離を取る。休む。
頭で考えてしまうと、なぜか無理して動いちゃいますよね。
「何をするのがこの場合は正しいのか?」と考えてしまうから。
だから、頭の中がグルグルし始めたら「考えない!」。
「あれをやらずに1日が終わってしまう!」と焦り始めたら、「考えない!」。
「そんなことしてたら何も出来なくなるじゃないか!」と怒りが湧いてきたら、「考えない!」。
「考えない!」の呪文でどんな変化が起こるのかをモニターしてみる気持ちでやってもらうと、面白いかもしれません。
参考文献
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