さて、今回は幻冬舎新書から出版されている大嶋信頼先生の新書『「やる気が出ない」が一瞬で消える方法』のレビューです。
この本から得られるもの
「やる気が出ない」のは、自分の中に原因があるからだとずっと思っていました。
だけど、自分を奮い立たせる言葉を掛けてみても、どうしてもやる気になれない…。
そんな人は、この本を読むことで「やる気が出ない」意外な原因が見つかるかもしれません。
長年、努力してやる気を出そうとしても思うように動けなかった人や、急に電池が切れて動けなくなった人は、自分以外のことが原因で無気力状態が続いているのかもしれない。
そんなことに気づかされる本です。
特に、今まであらゆる治療法を試しても無気力状態が改善しなかった方には、大きなヒントになる本だと思います。
具体的に行動して改善するのではなく、まず原因となっていることに気づいて認めるだけで、読んだ後には少しずつ動けるようになってくるかもしれません。
大嶋先生の書籍を初めて読む人は、脳のネットワークなどという言葉が出てきたりして「え…そんなものが本当に存在しているの?」と思われるかもしれません。
だけど、その「信じられない現象」を「あるかも?」とちょっとだけでも認めてみると、目の前に広がる景色がまた違ったように見えてくるかもしれません。
何をしてもやる気が出なかった人にオススメの1冊です。
あらすじ
「やらなきゃいけないことがたくさんあるのに、1mmも体が動かない…」
「あれこもこれもやりたいのに、なぜか全く手がつけられない…」
こんな経験はありますか?私はよくあります。
やらなきゃいけないことややりたいことが頭の中でひしめいているのに、なぜか体が拒否反応を起こして動かない。
そして、動けないまま日々が過ぎていき「あーあ…何やってるんだよ自分は!」とダメな自分を責めてしまう。
だけど、本当にやる気が出ないのは自分のせいなのでしょうか?
本当に自分に何か原因があって、動けなくなっているのでしょうか?
もちろん、病気やケガなどで思う通りに動けなくなっている場合もあります。
だけど、体に異常はないのになぜかやる気が全く出ない時、それは「バグ」なのかもしれません。
病気なら処方する薬が違えば効果が出ませんし、ケガも適切な処置をしないと逆に悪化させてしまったりすることもあります。
「やる気が出ない」を「自分の中に起こっているバグ」として、本書では万能感・人からの嫉妬・脳のネットワークの観点から解説されています。
今感じている無気力感はもしかしたら自分のせいではないかもしれません。
個人的な見どころポイント5選
個人的に目からウロコだった本書の注目ポイントを5つ紹介します!
動けなくなる=バグが起きている=快・不快コード
我々が無気力になってしまう原因を、本書ではコンピュータのバグに見立てて説明されています。
プログラミンの中に誤りがあると、システム全体に狂いが生じてしますよね。
コンピュータはどこか1箇所でもバグが生じると、起動できなくなったりシステムダウンをしてしまいます。
実は人も同じで、どこかにバグが生じているから無気力状態になってしまって動けなくなるのです。
コンピュータは二進法のバイナリコードで動いているけれど、ヒトは「快・不快」コードで動いています。
つまり、「快・不快」コードにバグが起きると、無気力状態になって自分自身がシステムダウンしたまま再起動できなくなってしまいます。
では、「快・不快」コードとは何か?
物事を判断する時に、「正しい/間違っている」で判断していると「あの人はどう思っているのかな…」と人の目を気にしてしまったり、「無理してでもこの仕事を今日中に終わらせなきゃ」と自分の体調を無視して我慢を続けてしまったりします。
そうすると、どんどん本来の自分の感覚が狂ってきてしまいます。
ヒトも基本的には他の動物と同じ脳構造のため、「快か不快か」を基準に生活するべきなのですが、「快と感じるのに、周りを気にして我慢する」「不快と感じているのに、責任があるからやめられない」など、本来の「快・不快」を捻じ曲げた行為を続けていると、バグが生じるのです。(p46)
本書は、本来人間に備わっているこの「快・不快」コードを思い出させるがごとく、何度も何度も至るところに登場してきます。
そして、自分の生活を振り返ってみた時、たしかに「やらなきゃいけないこと」ばかりになってしまっていたことに気づきました。
「本当は読書をしたい」だったり「もっとゆっくり眠りたい」という「快」を求める気持ちを知っていたのに、「快」を後回しにして生活していたのです。
不快なことをするのをやめれば、「快」が出てきます。
大嶋先生の他の著書でも繰り返し出てきますが、「やりたくないことをやらない」でいるとようやく本当にやりたいことが見えてきます。
やるべきことが全くできない上に、ウキウキワクワクする「やりたいこと」すらできなくなってしまっていた当時の私は、本書を読み終わってからも動けなくなるたびに「快・不快」を呪文のように頭の中で唱え続けていました。
自分の常識では「やらなきゃいけない」不快なことを退けた時に、ようやく動けるようになり、それまで毎日責任感や罪悪感で潰されそうだった胸の痛みも消えて、きちんと「楽しい」と感じられるようになってきました。
動けなくなってしまった時は、まずは「快・不快」を思い出してみてください。
無気力状態=万能感=ジャッジ癖
「これをしたら絶対にうまくいく」「これをすればきっと~になるはず」と信じて疑わなくなってしまっている時は、万能感が働いている可能性が高いです。
たとえば、「これを買えば絶対に今の状態から良くなるから、ちょっと金銭的に厳しいけど買っちゃおう!」という場面とか、「これをしたらあの人は必ずこう言うに決まってる!」とか、まだ起こっていない将来のことを断定するような予測を立てる時は、自分の主観で基準を作ってジャッジしてしまっています。
ジャッジは「正しい/間違っている」の判断になるので、本来備わっている「快・不快」コードにバグが起きてしまいます。
簡単に言うと、決めつけという言葉で表せるでしょう。
この万能感を基準に動いてしまっていると、他人に対して不平不満が止まらなくなってしまったりします。
また、「自分で何とかしなければ!」と自分の力で物事をコントロールしようとしてしまいがちになります。
ちなみに、人には「恒常性」という機能が備わっているので、常に真ん中に戻そうとする力が働いています。
ゆえに、極端な考え方を持つほどその反対側の極端の考えも強くなっていきます。
たとえば、「将来への期待」が大きければ大きいほど、「将来への不安」も同時に大きくなっていきます。
肯定的なイメージを持てば持つほど、逆に否定的なイメージも膨らむ、という性質がヒトにはあります。(p56)
なので、「自分で何とかしなければ!」と意識的になってハンドルを操縦しようとすればするほど、その反対側にある「でも、自分で何とかできるわけがない!」とどんどん絶望感が大きくなっていきます。
そうすると、「変えられない未来」が見えてしまうので、何もやる気が起きない無気力状態の罠に陥ってしまうのです。
本書ではその他、万能感を持ってジャッジし続けることによって緊張状態が続くため、セロトニンの分泌を抑制してしまう観点から無気力状態が作り出されるメカニズムについても解説されています。
1日1回好きなことを必ず好きなことをすることで、バグを撃退!
この本を読むまでの私は、毎日やらなきゃいけないことをするだけで1日が終わっていました。
朝起きたら「今日やる予定のこと」を考えて、寝る時間を削ってもやるべきことが終わらないので、寝てる時以外はずっと働いていました。
そんなことを続けていると、ある日突然バーンアウトしてまうのです。
そして、一定期間休養を取った後は「元気になったぞ!」と思って、また起きてから寝るまでの時間を仕事に捧げます。
こんなことの繰り返しでした。
私は「人生の効率化だ」と思って自分の「快」を最小限に抑えていった結果、万能感バリバリになってしまっていて、毎日何を食べたいのか良いのか分からないぐらい自分の「やりたいこと」が分からなくなってしまっていたのです。
自分にとっても快が何かわかり、不快に感じることをしなくなると、自然とやりたいことに向かって身体が動けるようになっていきます。(p67)
「不快に感じることをやらない」というと、大変勇気がいることだと思っていました。
「これをやらなかったら大変なことになってしまう…」そんな気持ちに支配されて、本当は「不快」だと感じているのに長い間やめられなかったことがたくさんありました。
でも、少しずつ小さなことから「不快なこと」を捨てていくと、ちょっとずつ「やりたいこと」が見えてきて、そのために動けるようになってきたのです。
具体的には、「朝にSNSを見ない」。
なぜなら、朝一でSNSを見て「ガーン!」とショックを受けて、その日一日の仕事への活力が奪われてしまうことが日常茶飯事だったから。
「やりたくないことからやろうとしない」も私には結構効果がありました。
意識では「やりたくないことからやらなきゃダメでしょ!」というのが自分の中にずっとあって、それは食事の時でもそうでした。
「苦手なものから食べる」というのが私のポリシーだったのです。
だけど、「やりたくないやらなきゃいけないことを先に片づける」ことほどハードルが高いことはありません。
「さあ、やろう!」と心の中で思っていても、一切腰が上がらないのです。
そうすると「やらなきゃやらなきゃやらなきゃ…」とまるで碇シンジの「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」のごとく踏ん張ろうとしますが、どうやったって動く気になれない。
そうやってダラダラ1日をムダにしてしまって「明日こそは…!」という繰り返しでした。
こうやって1つずつ「不快なこと」「やりたくないこと」を「やらない!」と決めて行動していくと、次第に映画を観る時間が出来て、映画やドラマを観る時間が出来たら続きが気になるから朝早く起きて観るようなりました。
楽しみにしているドラマを朝一で観ると1日のテンションが上がって仕事が捗ります。
そして「続きを早く観たいから」と思うと、早く床に就けるようになっていったのです。
すると、今まで就業開始時間ギリギリ間に合う時間に用意していた私が、仕事が始まる数時間も前から起きるようになって、夜は明日の朝に観るドラマが楽しみなので、「疲れてもう動けない!」となってしまう前に寝る準備をして眠れるようになったのです。
1日の中で自分の「快」が増えていくと、より自分の感じる「快・不快」コードが敏感になっていきます。
「不快」なことばかりしていた時は、そもそも何が不快で何が快なのか分からなかったのですが、「快」が増えていくにつれて「これは不快」「これは快」という感覚がクリアに自覚できるようになります。
「前向きに動かなければいけない」とか「〇〇でなければいけない」と考えるのは万能感によるジャッジです。(p67)
こういった「〇〇しなければならない」ことはすべて「やらない」と決めた時、「あれ?実は何でもできる!?」という自信のような力強さを自分の内に感じることができました。
「やらなきゃ!」に縛られている時は、何をするにも全く自信がなくいつも不安を感じていたのに!
やる気が出ないのはライバルがいないから!?
無気力状態になってしまう2つ目の理由が「人からの嫉妬攻撃」なのですが、その章の最後に紹介されいたテストステロンの分泌が減るとやる気がなくなってしまうというというお話について。
たしかに、仕事がある程度成功して安定してきた時に、ライバルがいなくなってしまったのです。
今まで「あの人に勝ちたい!」「1番になりたい!」という目標があってずっと仕事をしてきたところがあったので、その目標が達成された時、どこか「次の目標」が定まらない感じがしていたのです。
1つ成功すると満足してしまって、自分が取り組んでいる仕事に魅力を感じられなくなってしまう。
そのサイクルがどんどん早くなっていってました。
元々どんな仕事でもすぐに覚えてしまって飽きてしまうところがあったので、始めた頃はキラキラ輝いていた世界がすぐに色褪せて見えてしまうようになる。
そんなことを繰り返している内に、どんどん新しいことをしなくなってしまって、日々のルーティンをこないくだけになってしまってたのです。
そう、昔はガツガツと仕事に野心を持ってやっていたし、恋愛もバリバリ努力していたのに、いつの間にかそれらを見失っていたのです。
バグ撃退法―――ライバル作りと恋愛を(p114)
「不快なこと」をやめて不快になる人間関係も手放していくと、「自分の時間」を大切にできるようになりました。
でも、「自分の時間」を大切にすればするほど、それはそれで楽しいんだけどなんだか張り合いがない毎日になっていってしまっているし、人と接した時に万能感が働きやすくなってしまっているような気がしていました。
人生にときめきがなくなってしまっていたんですね。
自分よりも少し上の実力を持っている相手を見つけてライバルにしたり、自分以外の誰かのために生きる目的を見つけることで、テストステロンの分泌が増えます。
日々を何の目的もなくダラダラ過ごしている私は無気力状態を脱したかったので、即ライバル探しに精を出しました(笑)
感謝の手紙を書く
初めて本書を読んだ時は、「脳のネットワーク」の章が全く読めませんでした。
この章には母親との関係で自分が無気力になってしまう仕組みが解説されています。
しかし、再度本書を読んだ時に、以前は「恥ずかしくてそんなの書けるわけない!!」と思っていた母親に感謝の手紙を書いてみることにしました。
母親からの嫉妬を受けて自分が無気力状態になっているのであれば、母親との関係性を変えると無気力になるバグは取り除かれるはず。
数年FAP療法で母親の支配やトラウマを治療してきたけれど、お金のことだけがどんどん悪化していくのです。
以前はメンタルはボロボロだし常に何かに怒っている状態で苦しかったけれど、ちょっと働けばお金に困ることはありませんでした。
だけど、なぜかトラウマ治療を進めるほど収入がなくなっていきます。
無意識に近づいている状態であるからお金が必要ないとか、やりたいことをやっていないからエラーの中に無意識が宿ってるのかな?とか思っていたし、FAPでも「母親の嫉妬」は何度も治療したのです。
だけど、なぜ!収入が減っていく(笑)
母親が嫉妬するのは、母と娘がある意味で「対等」な関係になっているからです。
これに対し、母が「上」、娘が「下」であることを娘自身が認める内容を手紙で表すことができれば、母の嫉妬の発作は収まる、というわけです。(p157)
なるほど。
そう信じて、私は母親に「感謝の手紙」を書くことを決意しました。
「感謝の手紙」を書く時は、はっきりと母と娘の上下関係を示すために「お母さま」と呼称を入れます。
これがめちゃくちゃ恥ずかしい!
きっと「お母さまなんて呼ぶのは恥ずかしい!」と思っている時点で、母親と対等な関係になってしまっているから、だから嫉妬されるのかもしれません。
ですが、お金で困らなくなるのであれば背に腹は代えられん!と思って、「お母さま」と書きます。
「お母さまなんて言ったら、母親はどう思うだろう…」と考えてしまうけれど、それが母親に足を引っ張られている証拠かも!と思って手紙を書き進めていきます。
そして、「感謝の手紙」には母親への感謝の思いをこれでもか!というぐらい書き連ねていきます。
今まで育ててきてくれたことに感謝していることを中心に母親へ感謝の気持ちをはっきりと伝えることによって、母親が上で娘が下であるという位置づけをきっちりと示します。
私のこの時の問題は「お金に困りたくない」だったので、お金にまつわる感謝を思いつく限り述べていきました。
たとえば、「専門学校の高いお金を出してくれて感謝している」だったり、「公務員試験の予備校に行かせてもらったことで、試験には落ちたけど勉強したことはその後の人生に役立っている」などです。
ちなみに、書き終わった後に母親に手紙を送っていません。
最初は書き終わったら実家に送るつもりでした。
だけど、脳のネットワークで繋がって嫉妬されているのであれば、手紙を書くことに意味があると考えて送らないまま今に至ります。
そうなんです。
書いた後から少しずつ収入が復活していったので、「脳のネットワークの威力、すげー!」と思っています(笑)
「やる気」本の感想
見どころは正直5選では語り切れないぐらい、この本には大切なことが詰まっていますし、しんどい時に大変助けられました。
無気力状態になって動けない時、どうしても動けない自分を責めてしまいます。
「頭では分かっているのに!」と。
だけど、「分かっている」と思っている時点で万能感が働いてしまっているんですよね。
だから、「動けない自分はダメ/動ける自分が良い」といった「良い/悪い」のジャッジを下してしまう。
私は動けない期間に、いろんな医療機関に行って検査してもらいました。
だけど、どの病院に行っても「健康な人より健康」と言われてしまうのです。
じゃあ、なぜ自分の体はこんなに怠いの?
どこか悪いんじゃないの?
とずっと悩んでいました。
もちろん、本当に体のどこかが悪くて気力が湧かない方もいらっしゃると思います。
でも私はこの本を読んで「動けるようになった!」ので、改めて万能感と嫉妬攻撃と脳内ネットワークの威力は恐ろしい…と痛感しました。
また、無気力状態を「バグ」だと表現する方法はとてもユニークだと感じています。
動けなくなってしまった時に、「動け!!」と自分を奮い立たせるのではなく「自分の中でシステムエラーが起こっている!」と捉えるようになりました。
では、システムエラーはどこで起こっている?
万能感で「快・不快」コードにエラーが起こっている?
それとも、誰かからの嫉妬攻撃で電気ショックを受けてしまっている?
それとも、脳内ネットワークで母親と繋がっている?
目に見えない現象だからこそ、普通に生活していてこれらにすぐ気づけなかったりします。
だけど、「快」で動いてないから無気力なのかも?
「快」が足りないのかも!と気づきだけで、ゆっくり休む自分を責めることがなくなります。
やる気が出ない時はなぜか根性論で考えがちになりますが、ホルモン分泌の影響というのも関わってきます。
「セロトニンやアドレナリンが足りていないせい」「更年期障害のせい」「気圧の変化のせい」など、気分が変わる構造と理由を知っておけば、訳も分からず自分の気分に振り回されていたころより気持ちが楽になりますし、予防することも可能です。(p44)
無気力のバグ撃退法は、ここで紹介させいただいたものはほんの一部です。
ぜひ、本書を読んで自分にしっくりくる撃退法を身に着けてもらえればと思います。
「やる気」本の素晴らしさ
やらなければいけないことがあるのにどうしてもやる気が出ない時、以前の自分なら無理やり体を動かそうとしていましたが、動かないものが動かない。
「できない」言い訳を心の中でダラダラと並べ立てては動けないまま1日が終了してしまう。
早く寝ないといけないと分かっているのに1mmも体を動かせなくて、3時間しか寝ずに仕事に行く日々が続いて「もう嫌だ!」と毎日毎日心の中で泣き叫んでいました。
どうして自分はできないんだろう?と思っていろんなことを試してきました。
たとえば、習慣化する方法。
〇〇をした後に〇〇をするといったように、条件付けをするのです。
起きてすぐに歯磨きをしたらウォーキングする、顔を洗ったら朝食を作る、みたいに自動的に動けるように順序を決めていました。
「次に何しようかな」と一瞬でも悩むと人は行動ができなくなるそうなのです。
だけど、まず起きてすぐに体が動かない。
結局、早起きしたのに何時間も布団の中でYouTubeを見続けてしまう…。
やることを先延ばししてしまう人というのは、楽観的な人が多いそうなんです。
「なんとかなるわ」と思っているからすぐに取り掛かれない。
だから、「これを今やらないと大変な未来になる!」と「やらなかった未来」を想像することで危機感を感じてみるワークもしてみました。
でも、「ヤバイ!」という危機感が動けない自分の頭の中で膨らんでいくばかりで、ちっとも立ち上がって動けません。
また、「憧れの人ならどうする?」とイメージして、尊敬する人の真似をしてみることもやりました。
しかし、長続きしないのです。
さらに、自分がスムーズに動けるように、「歯磨きは〇分掛かる」「お風呂は〇分」「化粧〇分」といったように、自分の行動記録を取って、それに掛かる時間も事細かに記録してスケジューリングを立ててみたりもしました。
つまり、1日のスケジュールが曖昧だからやるべきことに迷ってすぐ着手できないのかな?と考えたのです。
しかし、これも長続きしませんでした。
そんなこんなで、学生時代から20年以上続く無気力状態に終止符を打てたのが、この『「やる気が出ない」が一瞬で消える方法』です。
とにかく、この本を読んでからは自分の「快・不快」にだけとことん注目していました。
動けなくなったら「今、何をやったら快を感じる?」と自分に問いかけてみます。
何も浮かんで来ない時は、「やりたい!」と心の底から思えることが浮かんでくるまで、ぼーっとしてみます。
そうやって1つ1つ自分の感覚に向き合っていくことで、自分はこれまでの人生でどれだけ自分の「快」を封印してきたんだ…ということに気づきました。
この本には、他に嫉妬と脳内ネットワークの話も紹介されていますが、大元となるのはやはり自分の「快・不快」コードなのだと思います。
自分の「快・不快」コードをきちんと感じられていれば、他者から嫉妬攻撃を受けても軽くスルーできるだろうし、スルーできる人はそもそも嫉妬されにくくなっていくはずです。
脳内ネットワークで母親と繋がったとしても、「これは不快だ!」と瞬時に気づけて「快」を選択することができれば、母親とのローカルネットワークから抜け出すことができます。
「無気力なのは自分のせいじゃない」と繰り返し繰り返し教えてくれる、大切な1冊です。
まとめ
まずは本書を読んで「心当たりがある!」と思ってもらえれば、無気力状態から脱出する大きな一歩になると思います。
やる気が出ない無気力状態は、万能感の発作で孤独を感じているからかもしれないし、嫉妬の発作の電気ショックで体が動かなくなってしまっているのかもしれません。
もしくは、知らぬ間に脳内ネットワークで他人と繋がって、足を引っ張られて邪魔されている可能性もあります。
同様にカウンセリングの現場でも、病気のメカニズムや原因が科学的に解明される日が仮に来なくても、目の前のクライエントさんが苦しみから脱出できるほうが大事だ、ということがあります。(p39)
私が今回紹介した内容は、ほんの一部です。
もし少しでも興味を持っていただけたのであれば、ぜひ手に取って読んでみてください。
あなたにピッタリのバグ撃退法が見つかるかもしれません。
その他オススメ本
『「やる気が出ない」が一瞬で消える方法』を読んだ方にオススメの他の大嶋信頼先生の著書を簡単に紹介します。
■『サクセス・セラピー』
現在は絶版になっていますが、大嶋先生の幻の初期の本です。
自分の「快・不快」の感覚がイマイチよく分からない方は、この本を読むと分かりやすいかもしれません。
「今、自分は何をしたい?」と逐一自分に問いかけて自分の感覚を取り戻し、自分の感情や感覚と仲良くなる方法が書かれています。
「成功」を掴むためには、やはり「快・不快」をきちんと感じることがキーになっているのかも!?
■『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』
この本にも大変お世話になりました。
嫉妬は動物的な発作であるということから、嫉妬についてかなり詳しく書かれている本です。
自分の嫉妬はもちろん、他人からの嫉妬に苦しんでいる人。
そして、「自分は嫉妬なんかされてない」と思っている人も読んでもらえれば、「これが嫉妬の発作なのか!」ということに気づけるでしょう。
嫉妬の発作は、本当に恐ろしい影響力を与えてきます…。
■『ミラーニューロンがあなたを救う!人に支配されない脳をつくる4つの実践テクニック』
青山ライフ出版さんから出ているとても分厚い本ですが、ミラーニューロンを知るには一番詳しく解説されています。
母親と脳内ネットワークで繋がることで支配され、変わろうと思っても母親のバックアップデータにある自分の姿に戻されてしまうという話から、「本音モード!」「浮輪モード!」などの呪文で脳内ネットワークから抜け出す方法が紹介されています。
蟻の世界の2:6:2の法則の話が私は好きです。
どのグループに所属しても必ず2:6:2に分かれます。
下の2割になって他の人からストレスを流し込まれる役ではなく、上の2割になって自由になってみよう!
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