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【過去作】相手の気持ちが気になって仕方ない

催眠スクリプト
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2019年8月31日に書いた恋愛系の催眠スクリプトです。

ヨットが一隻浮かんでいます。
青い帆を張ったヨットです。
ここは海のようです。
波が押して返していく音が、ザザーン…ザザーン…とゆっくりと一定の間をあけて聞こえてきます。
その波の音の感覚が、私にはちょうど心地よい速度であり、ちょっと眠くなってきました。
一隻のヨットは、前に進むこともなく、陸に帰ってくることもなく、プカプカと広大な海の真ん中に浮かんでいます。
釣りでもしているのだろうか?
行先に迷っているわけではないと思うのです。
陸に帰ってこようと思えば、すぐに帰ってこれる位置にいるので。
ただ、泳いでそのヨットに近づくには、ちょっと厳しそう。
恐らくそこは、足がつかない深い位置であるし、自分の今の体力で辿り着けるかどうか微妙な感じです。
途中でクロールの息継ぎがもたなくなって、ゼーゼー言ってしまいそうだなあ。
そして、そのヨットの下に広がる海の深さを想像すると、ゾッと身体の芯が冷えていく感じがします。
まさか鮫なんかいないだろうけど、この特段透き通ってるわけでもなく若干濁ったような色の海で足がつかない深さというのは、とても心細い気がします。
視界もそんなに良好ではないだろうし、何よりも美しい海ではないので、潜っても自分以外の生物が見当たらなさそうなんです。
足がつかない怖さや、暗い海の中に敵がいるかも、と思うと、足がもぞもぞとします。
不気味なぐらい静かな海中も、私の恐怖をあおります。
もしヨットまでクロールで泳いでいくことになれば、ヨットに辿り着いた途端に私は必死でヨットにしがみつくだろう。
ヨットに上げてくれなくてもいい、この暗い海の中に引きずり込まれないように必死で何かを掴んでいたいのです。
ヨットに乗っている男性は、そんな私のことを不思議に見下ろすのでしょう。
「どうしたんだ?」と声は掛けてくれるだろうけど、ヨットに引っ張り乗せてくれるわけではない。
私には、このヨットに乗っているのが男性で、しかも水兵さんのような格好をしていると思えて仕方ありません。
このヨットは相変わらずプカプカ浮かんでいるだけで、何をするわけでもなさそうです。

私はそれをただひたすら、穏やかな波の音を聞きながら眺めているだけなのです。

ここはよくある日本の海水浴場、という感じのところです。
寂しげな雰囲気は、日本海側のちょっと寒々とした感じにうけとれます。
絶えることなく一定の波音を聞きながら、砂浜に足を投げ出して座って、ヨットを見つめます。晴れているけれどもそんなに暑い日ではないので、ビニールシートを敷かなくても砂浜は暑くはありません。
浜辺には今のところ、私以外の人は見当たりません。
あ、遠くに今、サーフボードを抱えた若くてガタイが良い男性が数名、浜辺を歩いているのを確認できました。
私はというと、スクール水着で泳ぐ気満々なのですが、どうも海に入る気になれないのです。
波音を聞いていれるだけで、満足だったりもします。
ヨットは暇つぶしに見ているだけで、そこまでこのヨットの行く末が気になったりしているわけではありません。
時折、潮風がビュウンと吹いて、砂をピシピシと私の身体に当てていきます。
昔は、小さくてキレイな貝殻を集めたり、流木を拾ったり、砂浜に落ちているワカメのようなもので遊んだなあ、と思い出します。
特にお気に入りだったのは、砂浜に落ちているガラスの破片のようなものです。
母と一緒に、必死で集めていたなあ、と懐かしさが込み上げてきます。
集めたガラスの破片は、日に透かすとキラキラと輝いて見えて、小さなガラスの小瓶に入れるカチャカチャという音を聞くと、とても胸が踊るのです。
それらを集めてどうこうしようと思っているわけではありません。
集めて、瓶に入れて、眺めるだけで満足なんです。
ただ、これらを愛しすぎて、私はどうにかこの小物たちをリメイクしたいと思ってしまうのです。
ひとつ小瓶からガラスの破片を取り出しては、色んな角度から眺めて、結局よいアイデアが浮かばず、少しため息をついてから元の小瓶に戻します。
カチャリ、とかわいらしい音がして、やっぱり飾っておくだけは勿体ないなあと思いつつも、上手な活用法が思いつかないのです。
私はこの小物たちで何を作れば満足するのだろう。
いつもリメイクしようとして失敗して、余計にダサくなってしまうのです。
またひとつガラスの破片を取り出して、片手で弄びます。
カツカツと机にぶつかる音が軽快で、もっと音を鳴らしたくなってきます。
例えば、ブレスレットを作るにしても、スマホカバーとしてデコレーションするにしても、このガラスの破片の良さを活かし切れていないような気がするのです。
そうして一通り弄んで成すすべがなく、また元の小瓶に戻してしまいます。
たくさん集まった破片は、ひとつの時よりも色合いが重なってキレイに見えます。
そう、この破片はコーラの瓶のように茶色だったり、ラムネの瓶のようにエメラルドグリーンだったりします。
手にはザラザラとした感触があり、ツルツルではないその不透明さが美しかったりするのです。
捨てるに捨てられなくて、でもどこに飾っておいたら良いのかもわからない。
そういえば最近は海に行っても、このガラスの破片をあまり見つけることがないなあ、と思い出しました。
人がまばらにしかいない砂浜で、夏を少しこえた今、おだやかな潮風と波音だけが広がるこの空間を、私だけのものだと感じているのです。
誰も私に干渉してこない、そのような居心地の良さを感じながら、時折吹いてくる風に身を任せるのです。
自分の空間だと認識はしていますが、人の出入りは自由だとも思っています。
そんなに大勢の人が入ってくるわけでもないし、私の邪魔をしてくるわけでもないし、私が誰かの影響を受けるわけでもない。
ただ通り過ぎていくのを、砂浜に座りながら眺めているだけです。

ヨットは相変わらずそこにあり、いつ帰ってくるのだろう、と少し不安になります。
夕暮れまであと3時間ほどです。
日が暮れる前に帰ってきたらいいのだけれど、日が落ちてもまだそこから動かなかったら、私はどうすれば良いのだろう。
「おーい!」と声をかけるべきか?
でも、そもそも私には関係のないヨットだし、向こうもそう思っているはず。
ただ、このヨットが帰ってこないと、私が帰るタイミングがわからなくなってしまう。
暗くなってからも付き合うかどうかを考え始めている自分がいます。

ひとつ、爽やかな空気が頭に流れてきます。
ふたつ、身体がだんだんと軽くなってきます。
みっつ、大きく深呼吸をして頭がすっきりと目覚めます。
―――

以下、AIが描いた催眠スクリプトです。

イメージでは、ピンクの淡い夕暮れの海にぷかぷか浮いているヨットと白い砂浜と双眼鏡だったのですが、AI生成すると案外普通の海の風景になりました。




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