家の近くの堤防に桜の名所があるのですが、いつの間にか若葉に変わり、色鮮やかな緑色が芽吹いていました。
桜のピンクも美しいですが、新緑の緑もとても美しいです。
昔、『となりのトトロ』に憧れていて、神社の境内にある穴の開いた木の中を覗いてみたり、猫バスやトトロを探しながら田舎の道を歩いていました。
『魔女の宅急便』のキキにも憧れていて、家の竹ぼうきを使って休日は空を飛ぶ練習をしていました。
そうやって空想しながら、「いつか自分に非日常なことが起こって、この退屈な生活から抜け出せるかも!」とずっと考えていたのです。
それぐらい何もない田舎でした。
それで、大人になってから思ったことは、あれだけ「退屈だ」と思っていたことの一つの原因に、「両親との会話が一切ない」ということがあったのではないかと思っているのです。
妹とは喧嘩ばかりで、家では一人遊びが多かったのです。
父親は休日はテレビを見ているかゲームをしているかで、母親はいつも体調が悪くて寝込んでいました。
妹は何をしていたのかは知りません。
遊んでも喧嘩ばかりだったような気がします。
そうやって「会話がない」幼少期を過ごしたから、自分は会話が苦手なのか?と思うことも多々あります。
何を話題にして良いのか分からないし、何を言えば相手が反応するのかも分からない。
また、自分が話を聞いてもらって共感してもらった記憶がないから、「私は人の話を聞けないんだ…!」と思っていました。
ある時、前職は「人のお話を聞いてアドバイスをする」職業だったのですが、同僚に「あなたのお客さんはベラベラ自分の話ばっかりする人が多いね!」と言われて「ガーン」とショックを受けます。
私は、ただ単に人の話を聞くのが好きでした。
一方で、「誰も自分の話を聞いてくれない」と思っていたし、「的外れなことを言って怒られたら嫌だ…」とも思っていました。
そこから、私は人の話が聞けなくなってしまったのです。
今考えると、周りの人たちは当時、お客様の話を聞かずにガンガン自分の経験やアドバイスをしていくタイプが多かったのです。
そして、何の疑問も持たずに、私も「そうなりたい」と思っていたのです。
なぜなら、自分の意見を堂々と言えるのはカッコイイ!と、自分にできないことだと思って尊敬しているつもりだったのです。
だけど、それこそが不幸の始まりというか何というか…自分の最初のスタイルで良かったんですよね。
人の話を聞くからこそ、そこに共感が生まれる。
これは、今のカウンセリングでとても大事にしていることの一つで、お客様の一言一句を聞き逃さずに丁寧に聞いていくうちに、やがて脳内に立体的に相手の姿が浮かんできます。
そこには主観がなく、「目の前の相手はこうゆう意図でこういった行動をしているんだ」という尊敬も生まれてきます。
だから「相手の話をよく聞く」だけで、それまで「つまらない話!」と思っていたものが楽しくなってきたり、心の底から共感できて、そしてリスペクトして、さらにより深い繋がりや絆に発展していくのです。
何も、お客様は全く何も試さずにここに来たのではありません。
自分なりにいろいろ試行錯誤して、それでも埒が明かないから「人の意見を聞いてみよう!」ということで来られていたりします。
なので「当たり前の回答」は欲しくないわけなんです。
私は自分で言うのも何ですが、元々それができていたんですね。
世間知らずだったということもあったと思いますが…。
しかし、いつしか「普通が一番」だと思ってしまっていたのです。
なぜなら、ある時に「普通の話」をすっ飛ばして話した時に、実は相手が「基礎の部分」を知らなかったということがあったのです。
つまり、「その話は世間一般的に知ってるよね」と思って説明を省いて話を進めていったところ、実はその方は「知らなかった」のでしっくり来ていなかったのです。
後日、私とは別の人に「基礎の部分」を教えてもらって「え!そうだったんだ!」ととても感激してらっしゃいました。
それを知った私は、とても悔しい思いをしたものです…。
だけれども、もう後の祭りでどうすることもできません。
そして、その後に知ったのが「FAP」と「中指ビンゴ」です。
いやあ、これは本当にすごいです!
今まで会話で「何を話したら良い?」「これを話したら相手に失礼じゃないか?」とか、「このアドバイスで合ってる?」「質問はこれで良い?」とさまざまな疑問が自分の中で一瞬でうわー!と沸き起こって、それで結局「何を口にすれば良いのか分からない!」となってしまって、場面緘黙みたいになることが多かったんです。
前職のことで言うと、限られた時間の中でする質問は、質問内容によって話の方向性が全然違ってきたりします。
カウンセリングの50分だと、結局どの質問からしていっても結局は同じ根本の問題に繋がっていくので問題はないのですが、前職の場合だと「お客様の聞きたいこと」とズレた話をしてしまうと、お客様がせっかく来てくだっさたのに満足していただけない…となってしまうのです。
そういう配慮もあってか、さまざまな言葉が自分の頭の中で渦巻いて、それで自分がうわー!と伝えたいことを次から次へと話すと、今度はお客様が「たくさん喋りたかったのに!」と思ってくれていたのに、時間いっぱい私が喋ってしまう…みたいなことになってしまって、どうも具合が悪いんです。
しかし!中指ビンゴのなんと適切で素早い回答か!
私が「なぜそれ?」と思っていても、中指ビンゴの言う通りにお客様に質問すると「それです!」という回答をいただけることが本当に多かったのです。
「的を得た回答」「より深い話」をするには、とても便利だったわけです。
それからというもの、私生活でもLINEでも中指ビンゴで「何を質問するか?」「何を話題にするか?」を決めてから話すと、不思議と会話が弾むんですよね。
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中指ビンゴについては『本当の私よこんにちは』に、やり方が詳しく書かれています。
また、FAP療法の生い立ちや効果、実践方法も紹介してあり、高いお金を払ってカウンセリングを受けなくても、自宅でサクッと「辛いな…」と思った時にトラウマを取れちゃったりします。
本日のメタファー:新緑、若葉
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大嶋先生の新刊がついに出ますね!
以前からチラチラと告知されていた、睡眠の本です。
6/28発売のようです。
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