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性格が悪いのではなくドライになっただけ!【最低限の人間関係で生きていく】レビュー

オススメ大嶋本
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今回は大嶋信頼先生の新刊【最低限の人間関係で生きてく】の感想や気づきをシェアさせていただきます。

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どんな本?

2025年5月にクロスメディア・パブリッシングから発売された、今年2冊目の大嶋先生の新刊です。
ビジネス書っぽい表紙で今までと印象が違い、主に上司や部下との関わりといった職場の人間関係の距離感について書かれた本です。

個人的な感覚としては、初期から現在までのさまざまな大嶋先生のメソッドを理論的に専門用語を交えながら、今まで以上にさらに分かりやすくまとめられた一冊だと思っています。

職場の人間関係以外にも応用できますし、やりたいことがない人や何をやりたいのか分からない人、毎日疲れていて「なんで何をやっても上手くいかないんだろう…」と悩んでいる人にも光になるはずです。

読もうと思ったきっかけ

大嶋先生の新刊は発売日に必ず買っていますが、今回は帯に書かれていた「人に興味を持たない方が仕事も人生もうまくいく」という言葉に特に惹かれました。

私は今までの人生、人に興味を持てなくてずっと悩んできました。
人に興味を持てないことで話題を盛り上げることができないと思っていましたし、いつも自分の話ばかりしてしまうのが子供っぽくてすごく恥ずかしかったんです。

だから、質問上手な人に憧れていて、「もっと他人に興味を持たないと!」と思って生きてきました。

さまざまな大嶋先生の本を読んできて、大嶋メソッドはいつも常識の逆をいくことが分かってくると、なんとなく「人に興味を持たなくて良いんじゃないか…?」ともチラッと思うことも。
しかし、「それでも、そんなこと言っちゃったら…」という気持ちが拭えずにいたので、今回この本で堂々と「人に興味を持たなくていい!」と言い切ってくださることを期待して読み始めました。

後に書きますが、私のこの「人に興味を持たないと自己中なやつと思われて嫌われちゃう!」というのは、実は承認欲求だったのかもしれません。
恥ずかしい!!

心に響いた箇所5選

特に心に響いたところを5つ、紹介させていただます。

人に相談したくなるのは、悩みを言語化できていないから

これは最近の大嶋先生のブログ『緊張しちゃう人たち』にも書かれていましたが、相談者自身も自分がどんな答を求めているのか分かっていない場合があります。

私は数年前まで、人に相談しないとずっと同じ悩みが頭の中でぐるぐるしてしまって、居ても立ってもいられないタイプでした。
「人に相談したい、でもなあ相談なあ…」みたいな感じで、「人に悩みを相談しないと、この悩みはなくなならない!」という考えが、どんどん「人に相談しなければならない!」という思い込みへと激しく固着していきます。
だけど、いざ誰かに相談しても「なんかちょっと違うんだよなあ…」ともやもやが残るということを繰り返していました。

よく自己啓発本なんかで「悩みは自分の中にある」と言いますし、大嶋先生も「人の中に真実はない」と仰っています。
それでも相談せずにいられないのは、正解のピースを探し続けているから。

正解のピースというのは、自分の悩みにピッタリ当てはまる「言葉」です。

言語化できていないため、それを自分で認識できないから、第三者にアドバイスを求めたくなるのです。(p42)

人に時間を取ってもらって相談しておきながら、「なんかちょっと違うんだよなあ…」と思ってしまうのは相手にも大変失礼なことですが、それでももやもやが取れないからいろんな人に相談して話を聞いてみる。
でも、そんな時に「人に相談したくなるのは、悩みを言語化できていないだけ」と思ってみると、頭がスッキリとしてもやもやが吹っ飛んでいきます。

「相談する」と考えると、じゃあ誰に?何て言ったらこの苦しみが伝わる?拒否されたら?とそこから新たな悩みが派生して、余計にもやもやが増えたりします。
そうすると、この本の前に発売された【脳を休めればすべてがうまく回り出す】に詳しく書いてくださっていた抑制性ニューロンと興奮性ニューロンがどっちも興奮しちゃうから、「相談したいけど、相談しちゃダメだ!」という葛藤が起きてしまいます。

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そして、もやもやと考えているとどんどん認知機能が下がっていって判断能力が低下するので、一番相談しちゃいけない人に相談しちゃったりする。

逆に、占い師として自分が相談される側でよく起こっていたことがあります。

自分としてはお客様の悩みに対して「上手く答えられた!完璧な回答!」と思っていた時に限って、お客様はそうではないことが多かったんです。
むしろ自分では「あの答え方はダメだったなあ…」と落ち込んでいた時こそ、お客様からなぜか感謝の声をいただくことがとても多かったんです。
それはきっと、私の思う答とお客様の中にある答がやっぱり全然違うということなのです。

「何度も同じことを聞いてすみません…」と仰ってくださるお客様が多いのですが、私は彼らの中にあるピースとピッタリ当てはまる言葉のピースが見つかるまで、一緒に探し続けようと思いました。

人と「わかり合いたい」のはナルシスト!?

私は常々「自分とまったく同じ考えの自分がもう一人いたらなあ」と思っていました。
誰とも理解し合えないのは辛いと思っていたんです。
そして、同じように孤独を感じている方々の気持ちを理解して、その孤独を消し去れたなあなんておこがましいことを思っていました。

でも、

人と「わかり合いたい」というのは、人から「褒めてほしい」、「認めてほしい」という気持ちの裏返しであり、本当は人のことなど何も気にしていません。(p52)

なんですって!!
今回、一番衝撃だったのはこのお話です。

私の大好きな漫画に、中村珍さんの【羣青】っていう作品があるのですが、この中の登場人物が「理解と差別は似てる」という台詞を何度か言います。

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ちょっと角度が違うかもしれませんが、同性愛者のことを理解できないあんちゃんが「俺に話せよ!話してくれたら理解できるのに!」と妹に言う場面があります。
私もあんちゃんと同じで、「私にちゃんと話してくれたら、理解できるのに」と思っていました。

しかし、「わかり合いたい、わかり合えるはず!」と思うのは、たしかに根底に「理解できた素晴らしい私を賞讃して!」という気持ちが隠れていることに、この本を読んで気づかされました。
「あなたのことが分かる特別な自分」だとか「他の人とは違う高尚な存在」というものを求めている自分が、そこにはいたのです。

自分のことすら分かっていないのに、相手のことを「わかりたい」「わかってるよ」というのはなんて傲慢なことなんでしょう。
これこそ「わかってる」の万能感に繋がって、神にでもなろうとしているのかもしれません。

「わかり合うことで、人から一目置かれる存在になって認められたい」という自分の浅ましい本音がそこには隠れていたのです。

また、私は人からアドバイスされるのが大っっ嫌いなのですが、人から相談されると「なんとかしてあげないと!」と思ってあれこれ余計なアドバイスをしてしまいがちでした。
自分がアドバイス嫌いだから黙っておこうといつも胸に誓っているのに、いざ相談されるとあれこれ解決策を提案してしまいます。

それはまさしく「あなたの悩みを解決できる素晴らしい人」だと褒め称えてもらいたいわけだし、他の誰にもできなかった偉業(難しい悩みを理解して解決する)を達成して認めてもらいたいという気持ちからだったのでしょう。
逆に、アドバイスに正確に答えられない自分は価値のない人間だと思っていたのかもしれません。

大嶋先生はこの本の中で、人に相談された時は相手の意見を肯定的に受け止めて、肯定的な返事を返すだけで良いと仰っています。

「相手が大変なことになったらいけない!」と思ってついあれこれとアドバイスをしてしまいますが、

本当に相手のためを思うならば、相手の考えを受け入れて、認めてあげることが一番の「優しさ」になります。(p47)

と書かれているのを読んで、納得しました。
というか、自分自身が「相談する時はアドバイスではなく、自分の考えを受け入れてほしい」と本音では思っていたので、素晴らしいアドバイスは必要ないんだと気づかされました。

私は今まで、占い師という何らかしらのアドバイスや答を時間内で出さないといけない仕事をしてきました。
ある時、同僚に「あなたのお客さんって、話を聞いてほしい人ばっかりなんだね」なんて非常に失礼なことを言われてから、お客様のことを変な言い方をされないように積極的にアドバイスをするように努力していました。
すると、知らぬ間に共感を示すということを忘れていってしまったのです…。

だけど、大嶋先生は「相手の意見を肯定的に受け止めることが、相手のためになること」と教えてくださいました。
今回相手のために良いアドバイスをする必要はないと知って、人間関係の重荷がまた1つ減りました。

ちなみに「認めてほしい!」「褒めてほしい!」と過剰な賞讃を求めたくなる人は、0~1歳頃のアタッチメントが関係しているとも本書の中で解説してくださっています。

さらに、人から褒められることで自分の「脳」を活性化させることにもなるので、だから人とわかり合うことや過剰な賞讃を求めるとも仰っています。
これはとてもよく分かります。

以前に働いていたところは委託業務だったので、基本的に仕事を行うのは1人でした。
会社勤務であれば、そこで働いている人と連携し離し合ったりするものですが、委託業務なので人との繋がりが全くなかったのです。

そうすると、仕事で上手くできずに落ち込んだ時になかなか自力で立て直しができなくて、脳の炎症がどんどん悪化してしまい、認知機能もガクーンと下がります。
そんな時に、たまたまスタッフの人と喋る機会があって褒めてもらうと、途端にそれまであった頭の重さが消えて、スッキリとクリアに考えられるようになるのです。
それがたとえ店のNO.1だったと数字で分かっていても、人に褒められないとどんどん心は廃れていって、破壊的人格になってしまいます。

褒めてもらわないと頭が働かないというのは、自分はなんとも甘えた身体だな…と当時は思っていたのですが、人から褒められることや共感してもらうこと、認めてもらうことって脳にとってはとても重要な栄養なんですよね。

そして、人を褒めることは「自己防衛」でもあるとも書いてくださっています。
これもよく分かります。

こう言うと「自分って性格悪いな~」と思うのですが、最初から攻撃的に突っかかってくる人に対しては特に「褒める」ことを意識して過剰に相手を褒め称えていたのですが、それは間違っていなかったということが分かりました。
意識的に考えると、「媚びを売っている自分」みたいな感じで自己否定の気持ちが浮かんできてしまうのですが、相手を褒めることは要らぬ人間関係の軋轢を生まずに自分を守ることでもあるんですよね。

「自分は正直で本当のことしか言えないから、相手を褒められない!」と思っている方、私もそうなんですが、「自己防衛」で褒めると思うと少し抵抗が少なくなりませんか?

相手と話していて不快なのは「知能差」

個人的に知能の話は大好物です。
第2章では、知能の高低差についてのお話が書かれています。

人間関係が難しいのは「知能差」に原因がある(p66)

これまでも知能の高低差が原因で起きる人間関係の問題について、大嶋先生はたくさん書いてきてくださいました。
それでも、うっかり忘れてしまいます。

あの人とは話が合わない」とか「話しててイライラする」など相手に不快感を感じるのなら、相手と自分に「知能の差」があります。

知能差が「20」あると話が合わない、と言われていますよね。
知能に差があるため物事を見ている視点が違うので、相手との会話に違和感があるのです。
見ている景色が互いに違うから、相手の言っていることを理解できなかったり、相手に興味や関心を持てないんです。

今回は「心に聞く」の話は出てきませんが、自分の頭にパッと思い浮かんだ数字で相手のIQとの高低差を知る方法を書いてくださっています。

ちなみに、私は自分の知能指数を知っているのですが、心に聞くとそれよりもはるかに高い「180!」と答えます。
なぜこんなにも高い数値を出すのかずっと疑問だったのですが、この本に答がありました。

自分のIQが160とか、180などと思い浮かぶようであれば、「これまで虐げられてきた分だけ、数値が上がっている可能性がある」と認識することで、自分自身を客観的視することができます。(p98)

「知能差を知る」ということは自分のほうが高くて偉いとかそういうことではなくて、人間関係の適切な距離を保つための大事な指標となるためです。

大嶋先生のこれまでの嫉妬の本などにもありましたが、人間は本能的に相手の潜在能力をキャッチしてIQを測っています
IQが高い人はマウントを取られやすいということはこのドライな本にも書かれていますが、相手の脳が瞬時に「あ!コイツは自分より上だな!」と上下関係を認識した時に、本能的に威嚇してしまうのが「マウント」です。

だから、IQが高い人がやれた時はそこで自信をなくすのではなくて、自分のIQの立ち位置を把握した態度を示す必要があります。

「心に聞く」という自問自答で本当に分かるの?という疑問ですが、それは私も未だに半信半疑だったりします(笑)
でも、相手も私のIQを知らないのに本能的に「お前の方が上だな!」とマウントを取ってくることを思えば、私も本能的に相手のIQをキャッチできているはずなんですよね。

ただIQが高い人は今までマウントを取られ過ぎてきたので、自信をなくして「自分の方がおかしいのかもしれない…」と思ってしまう癖がついてしまっています。
そのために、「パッと頭に浮かんできた数字」で相手とのIQの高低差を知り、「だから話が通じないのか」と納得することは、私にとっては最強のナラティブです。

ちなみに、大嶋先生の以前の書籍にも登場してきていた「優越の錯覚」ですが、これは「防衛機制」の1つだと考えることができると本書では改めて解説してくださっています。
(優越の錯覚:自分は人よりも20%優れていると錯覚する心理的傾向)

防衛機制というのは、自分に迫っている危機や困難から生じる苦痛・不安をやわらげるために働く心理的メカニズムのことです。
相手のことをすべて理解して許す必要はないですが、逃げられない職場の人間関係などでは「相手は私のことを“危機”に感じているんだ!」と思ってみると、相手の威嚇してくる姿も怖くなくなってきます。

また、心に聞いた時に暫定知能が毎回違って、暫定知能にレンジ(振れ幅)があったりしますよね。
そのことについても書いてくださっています。
自分の体調や状況、相手との関係性の変化で暫定知能の数値が変化するそうです。
なので都度、暫定知能を確認して、適切な距離感を保っていくことが大切です。

そして、それを繰り返すことによって、大嶋先生のこれまでの本に書かれている「万能感」からも解放されていくのかもしれませんね。

人間関係の最適化は「目的」を明確に

なぜ人間関係の最適化をすることが大事なのかというと、ストレスフリーな人間関係を築くためです。
そのためには「枠組み」を決めて、距離が必要だと自分が判断した人間関係に迷わず一線を引くことがが大切です。

ムリに相手に合わせることは、相手の目的のために生きている状態です。

なので、人のためではなく、自分中心の目的を設定する必要があります。
この「自分中心の目的」が人間関係の線引きを明確にし、その目的のためにデボーション(献身)の覚悟を決めます。
つまり、目的を果たすためには自分の身を捧げるぞ、どんな役割でも演じるぞ、と腹を決めることです。

たとえば私の場合だと、読書の時間を守るために必要以上の仕事を引き受けないと決めています。
そのために、以前は常に人からの連絡に過敏に反応して即レスしていたのですが、午前中は仕事関係の連絡を一切!見ないと決めたり、相手が困っていても「かわいそう」と思って自分の休日を返上しない!と腹をくくって、相手にどんな反応をされようが自分が心地良いと思う距離になるまで遠ざけました。
本来の自分よりも「冷たい人間」を演じていると、自分では思っていました。
しかし、それは他人に対して冷たいのではなくて、自分の大事な時間や大切な人を守るために必要なことだと「割り切って」いるわけなのです。

ちなみに私の【人間関係の最適化】の線引きの目的は、「朝の読書時間を邪魔されないこと」と「自分のやりたいこと優先」です。

たとえば、私は今まで、朝起きてすぐにSNSのコメントやメールを見てガーン!となることがほとんどでした。
すると、せっかくの読書時間なのに人のことばかりが頭の中でぐるぐるして、全く読書に集中できず時間を無駄にしてしまいます。
私は人一倍メンタルが弱く影響されやすいので、些細なことですぐにガクーン!と認知機能が下がってしまうんです。
それを認めてからは、人の影響を受けて朝っぱらから認知機能を下げてしまわないように、仕事以外の時間は常にスマホをナイトモードにしています。

そして、以前は「遊びのために仕事を休むなんて…」と思っていましたが、今は「やりたいこと優先!」と腹を括っています。
ただし、「本当にそれは私がやりたいことなの?」というのはきちんと自問自答します。
なぜなら、誰かの影響を受けて「やりたい!」と思っているだけだったり、本当はそれほどやりたいと思っていないんだけど、実は遊びであっても「やらねば」と義務に思っていることがあるからです。
けれど、自分が心の底から本当に「やりたい」と思っている心地良いこと、つまり快について、何ものの邪魔も受け付けていません。

そうでないと、性格が歪んできて、それこそ本物の「嫌なヤツ」になっちゃいますもん!

本書にも出てきますが、「不快な感情は相手のもの」であるという考え方。
この視点は、私の人生を大きく変えてくれた大嶋メソッドの1つです。

人間関係の線引きをする際に、「不快な感情は相手のもの」ということを思い出すことで、望まない人間関係に巻き込まれて感じるストレスが激減しました。

以前、ある仕事で、頼み事をされた時に断ってしまったら相手に申し訳ないと思って、無理をして引き受けていました。
しかし、その人から何かを言われるたびにイライラ感がどんどん強くなっていきます。
そして、引き受けた頼み事に取り掛かっている最中には「なんで私がこんなことをしなきゃいけないの!」と自己犠牲をしている自分にも腹立たしいし、頼んでくる相手にも殺意のような怒りを感じていました。

けれど、ここで「この怒りは自分のもの」と思ってしまうと、怒りを感じている醜い自分を恥じるような気持ちになったり、あるいは相手への殺意に近い怒りがさらに増幅していったりします。
でも、「この怒りは相手のもの!」と思ってみると、「あーこれは相手の怒りを受け取って、私も早く返事をしないといけないと焦っちゃうんだな」と立ち止まれて、いつもなら「相手のために」とスピーディーに「イエス」と返答していたところを冷静に踏みとどまれるようになりました。

この場合、私が意識で感じていたのは「断ったら嫌われるかも…」と見捨てられ不安で、その恐怖からイエスマンになってしまっていました。
でも、もしかしたら相手が「こんな頼み事をしたら嫌がられるかも…」と不安に思う気持ちが伝染してきて、私が不安を感じてたいたのかもしれません。

それもあって、私の人間関係の線引きの1つに「少しでも不快を感じたらNO!」というのがあります。
ほんの1mmでも不快な気持ちになった、または違和感がある場合は、イコール距離を取る関係だと思っています。

この方法で、今や私の周囲には、私の大好きな人ばかりがいてくださって、以前のように感情的に私に突っかかってくる人や意味不明に文句を言ってくるような人とはいつの間にか疎遠になっていました。

「バカにされている!」と思うと、IQが下がる!?

第3章では、大嶋先生流「部下との関わり方」を解説してくださっています。

私は個人事業主なので「上司」という立場にはなかなか縁がないのですが、店側とお客様との関係や、講座での講師と生徒との関係にも置き換えることができます。

たとえば、

上司に求められているのは、チームをまとめたり、「管理」することではなく、メンバーの動向を「観察」することです。(p113)

というのはとてもしっくりきました。

上手くまとめて「管理」しなくては!と思えば思うほど、なんだか「あれもダメ!これもダメ!」とルールばかり増えていって、口出ししてしまう自分が嫌でした。

けれど、「観察」して足りないところをサポートするだけだと思ってみると万能感の発作が治まって、相手の世界を活かして自分が動けるような感覚があります。
そう、本当は相手を破壊したいわけじゃないんです。

なのに、「ちゃんと自分がやらねば!」と責任感を強く感じた時に、なぜか相手にダメ出しをしてしまったり、マウントを取るようなアドバイスをしてしまうんですよね…。

この本では、その他「自分の能力を認めてほしい部下」や「イライラして周囲に八つ当たりをする部下」、「すぐ人のせいにする部下」などさまざまな個性の部下と、上司としての適切な距離での関わり方が書かれています。

個人的には、「無口で何を考えているのかわからない部下」と「上司を頼ってくる部下」がとくに印象的でした。
なぜなら、これは占いのお客様に対してよくしてしまう私の失敗でもありますし、私自身がこのタイプだったからです。

まず、「無口で何を考えているのかわからない部下」ですが、相手がこの場合、私は焦ってつい余計なことを言ってしまいます。
けれど、自分自身に置き換えた時に思い出すのが、「放っておいてほしい」ということ。

タクシーに乗った時や仕事で誰かとペアを組む時などよくありますが、相手が私に気を遣ってあれこれと話しかけてくれます。
だけど、自分としては「そっとしておいてほしい」んです。
なぜなら、なんとなくこちらの領域にズカズカ踏み込まれている気がするから。

逆の立場の時に、私も勝手に相手の気持ちを考えてヤキモキして、知らぬ間に相手の領域に入ってしまって、結果嫌がられたり自分がより凹む結果になってしまいます。

なので、近づかずに距離を置いて見守ることが正解なんです、

もう1つの「上司を頼ってくる部下」の場合。
実は私も以前、「頼る側」としてしちゃってました。
本心では他人からのアドバイスは必要ないと思っているのに、相手を頼る姿勢を見せて弱者を演じてしまうこと。

占いのお客様でも、恐らくコミュニケーションの一貫として「どうしたらいいんでしょうねえ」と私にお聞きしてくださる方がいます。

しかし、こんな時に張り切って「それはね!」とアドバイスをしちゃうと、反感を買うことがあります。

私は本当に「頼る側」としてこれをよくやってしまっていました。
自分では相手を頼っているつもりはないし、相手に質問したつもりはないのに、相手が私のことを「困っているんですね!」と認識して、自分がそこまで必要としていない長文のアドバイスをされることがよくありました。

後から自分が送ったメールを見返すとたしかに「どうしたらいいんでしょうね?」と私から送っているんですが、私の中では会話のキャッチボールのつもりで送っていて、「分かる~!」という相手の共感の言葉を待っていただけなんです。

だから、頼ってくる部下にはアドバイスではなく「傾聴」を意識するというのは、とても納得です。

逆に私が「頼られる側」の立場だと、相手に「福本さんはどう思われますか?」と聞かれて持論を披露すると、相手の方から「いや、私はそうではなくて」とバッサリ言われます。
こんなことを繰り返して、今ではどう思われるか聞かれたら、先に「あなたはどう思われてるのですか?」と会話を促すように心掛けています。
なぜなら、そこに私のアドバイスや意見は必要ないから…。

そんな今までの人間関係の僅かな違和感を言語化してくださっている本書ですが、第3章の一番のハイライトは、個人的には下の言葉です。

人間の脳というのは不思議なもので、相手にバカにされたと感じているとIQが低くなってしまい、相手が尊敬できれば、同じ人であっても、IQが高くなるのです。(p135)

「相手と同じ土俵に立ちたくない」という台詞がありますが、まさにこれなのではないでしょうか。
私は「この人、私のことバカにしている!」と思うと発作が起きて退行しちゃって、普段しない言動で破壊行動に出てしまいます。
(家系が発作系なので特にです)

以前、大嶋先生のブログで、「IQ140の人がIQ110の人に嫉妬されたら、IQ80になってしまう」というお話がありましたよね。
私はあの時、「でも、実際にどっちのIQが削られているのかわからない」と思っていました。

もしかしたら、自分のIQの方が下で、相手の知能を下げて相手に発作を起こさせているのかな?と不安に思っていたのですが、そもそも自分の感覚が「相手と関わったら認知機能が下がった!」と思っているのだから、自分の方が上なのではないでしょうか。

もし、私の方が上なのであれば、私は「上である」態度を取らないと相手に嫉妬の発作を起こさせてしまいます。
先程の「上司を頼ってくる部下」に出てきた“本当はアドバイスなんか求めていない部下”と同様、弱者ぶってカマトトぶってるから、相手が「評論家目線」になって高いところから自分を見下されているような気分になってしまうんです。

逆も然りですよね。
私がバカにしたような言動をしたら、相手は「自分のことを見下しやがって!何様!」と発作を起こして破壊行動に出てしまいます。

なので、「尊敬」という目線を忘れずに相手の立場を尊重して話すことで、自分の立場と感情も守れることがあると思います。

「ドライ」な本を読んだ変化:私は性格が悪くなったわけじゃない!

大嶋メソッドを実践してきて、長年思っていたこと。
それは「これ、他人から見て嫌な人になってない?」という思い。
「嫌な人」というのは、性格が悪いとか意地悪とかそういう意味です。

他人からの気乗りのしない頼み事を断れるようになったけど、あれ?以前の自分の方が性格が良くて愛されてたんじゃない?と思ったりします。
仕事の連絡をすぐに返さず、自分のタイミングで返すようになって、ストレスは溜まらなくなったけど、これって社会人としてどうなの?クビにならない?
そんな一抹の不安がずっと頭の片隅にありました。

いや、心も私の言動にイエスと言っているし!昔よりも自分のことを大切にできているし!と、確実に自由の道を進んでいるはずなのに、「本当にこれでいいの?」と思ってしまうのは、いい子で愛想の良かった自分を捨てるのが怖かったから。

だけど、どうしても「性格が悪くなった自分」以外の言葉が見つからずにもやもやしていました。

「罪悪感がある方が自由への道」をモットーに、人間関係のしがらみをこれまでたくさん切ってきましたが、それでも拭えなかった罪悪感。
そのもやもやは、本書の「ドライな人を目指す」という言葉で一気に払拭できた気分です。

そう!性格が悪くなったんじゃなくて、ドライな人になったのよ!

これからは「ドライな人」を新たに座右の銘に加えようと思います。
これも、自分の中にある答を言語化してくださった1つのピースです。
気持ちがとても楽になったと同時に、「ドライな人間関係」と思うだけで、気づいたらウェッティになってしまう自分を食い止められます。

また、最後の章でハッとさせられた一文があります。

p188に【あなたにとって、本当に大切な人とは誰なのか?】と書かれていたので、私は一瞬でいろんな思考を巡らせてみました。
そして、「うん、きっとあの人だ」と思ったんです。

けれど、その次の文章にこんなことが書いてありました。

あなたが最優先で大事にするべき相手は、他ならぬ、あなた自身です。(p188)

ガーン!
この期に及んでまだ、他人のことを考えている自分にショックです!
一番大切にすべきなのは、お前やお前!

これだけ大嶋メソッドを学んできたのに、よほど染みついているようで、私はこの一文が本書で一番グサッときました…。
だけど、このドライな本を読んで、以前よりも人間関係の最適化がかなり進んでいる自分の状況も把握できたと思います。

そうは言っても、やっぱり人間社会で生きていく中でお互いに影響をし合うわけなので、自分の感覚が分からなくなってしまう時もあります。

もし、優先順位が分からなくなった時は、三大欲求に注目してみます。

何もやりたいことがなければ、人間の「三大欲求」を満たす行動を優先させれば、満足感と充実感を得ることができます。(p196)

この基準は分かりやすい!

頭で考えていると、「あれが大切だったはずなんだけど、なんかイライラするな」とか「これを大事にしてたつもりだったんだけど、本当にそうなのかな」と分からなくなってきます。

そんな時はもしかしたら、「食欲」「睡眠欲」「性欲」が満たされていないのかもしれません。

そんなこんなで、また1つ自由に羽ばたく翼をいただいた素晴らしい内容の一冊でした。

まとめ:ドライな本から得られるもの

今回は発売後すぐに読み終えることができたので、もっと早くレビューを書けたのですが、書いている内にどんどん書きたいことが増えて行って収拾つかなくなっていたので、記事の投稿が遅くなってしまいました…。

いつも通り長文レビューになりましたが、ここで書いたことはほんの一部です。
自己投影の話、ダブルバインド性腺刺激ホルモンドーパミンとプロラクチンのギッタンバッコンの話も出てきます。

私はこのドライな本を読んで、自分の不快感には何かしらの理由があるから、そこから目を背けずに向き合ってみようと改めて思いました。

人に対してイラッ!とした時に、「人に怒りを向けるなんてみっともない」とか「自分だって出来た人間じゃないくせに」といった自分へのダメ出しが頭に浮かんできます。
そして、そんな薄汚れた気持ちにさせてくる相手にもますます腹が立ってきます。

そうすると、怒りをおさめたいはずなのに、どんどん怒りに取り込まれていって我を見失ってしまうんです。

だけど、「自分は何が不快なのか?何に怒っているのか?」とネガティブな感情を否定せずに認めた時に、人間関係の最適化のヒントが見えてくるのではないでしょうか。

「あの人が怒るから…」とか「あの人が嫌な顔をするから…」と我慢して怒りを溜めまくってドロドロしていた自分とは、もう決別したい!と思っている人には、具体的で分かりやすい人間関係のガイドブックになるはずです。

相手と自分を切り離して自分中心に生きる楽しさを、さらにバージョンアップした形で一冊にまとめられています。

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今までの大嶋先生のメソッドがすべてギュッと凝縮されて、さらに分かりやすく、スッと胸に落ちた本でした。

私はとくに知能の話が好きなので、
・相手の話を退屈に感じたりイライラしている時は知能にギャップがある
・相手にバカにされていると感じるとIQが下がる
はとても興味深く読みました。

カウンセラーさんと話している時は「自分ってすごい能力を持っているかも!」と自分の可能性を無限に感じられるのに、日常生活に戻ると「自分は平均以下なのではないか…」と感じていました。
大嶋先生のいろんな本を読んではじめて知能検査を受けて、自分の知能を知ってから、人と話すのが怖くなくなったあの日のことを思い出しました。

また、私は人にアドバイスをされるのが大嫌いなのですが、その癖に「困っている人を助けないと!」と思ってアドバイスしてしまって、後悔することが多いです。
それも、3ステップのポイントである「相手の言動の問題」「相手の感情の問題」「自分の感情の問題」、そして人間関係を最適化するための「目的」を明確にすることで、相手に踏み込みすぎずに適切な距離感を保てます。

誰もかれも助けようとするから苦しい。
本当に助けてあげないといけないのはまず自分で、その次に大切な人なんですよね。
最後の章に「本当に大切で優先すべき相手は、自分」って書いてくださっていて、笑いました。
まだ自分以外のことを考えていた…!

常々、自分のトラウマが消えていくとともに、自分がとても嫌な人間になってしまったような気がしていました。
それで、「こんなんじゃいけない!」と思って余計なことをして、人との距離がまた密になって嫌な思いをする羽目になってしまいます。
だけど、嫌な人間ではなく「ドライな人間」になっているんですね。
自分のことを「嫌な人間」と思ってしまっている時点で、脳に炎症があるのかもしれません。

さらにもう1つ。
私は昔、人に相談しないと気が済まない人間でしたし、相談することが人とコミュニケーションを取る手段だと考えていました。
だけど、相談したくなるのは、自分の悩みを言語化できていないからだと知って、さらに私の中の靄が晴れた気分です。

今回もとても面白く、一気に読みました。
今すぐに使えるメソッドで、狭まってた視野を再び広げていただいた感覚です。

職場の人間関係はもちろん、友人関係や恋人関係などすべての人間関係にも適用できますし、やりたいことがなかったり時間がない人にもオススメだと思います。
いつも素晴らしい気づきをありがとうございます。

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